オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ40)

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傷が40こページ40

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「ブレザーとパーカー脱いではいタオル…って自分じゃ拭けないか」

「それくらい出来ますし」

脱いだブレザーとパーカーを先輩に渡す

水を含んだそれはかなり重くなっていた

リビングへ通されると顔面に今度はジャージが飛んでくる

「はあ…言っとくけど男の下着なんてないからねそれお兄ちゃんのお下がりだし多分彰人も着れると思う
ほらシャワー入っておいで倒れそうなら手伝ってあげてもいいけど」

「大丈夫です！！…ぅあ」

「頭痛いんでしょ、先に薬飲んでからにする？
ああ、制服は乾かすからカゴに入れといて」

薬をもらって飲む久しぶりに風邪ひいたなあ

シャワーを借り、雨で冷えたからだを温める

これ家帰れっかなあ正直すごく眠たいし動きたくない

大人しくこはねに傘借りればよかったと今更後悔する

明日ももちろん学校はあるなんなら体育はサッカーだった気がする

自分にイライラしてきたぶん殴りてえ

とは思ってもそんなこと出来ないしする気力もない

ため息をひとつついてふろ場を出る

幸いなことにあまり濡れていなかった下着だけ先に身につけ髪をタオルで雑に拭く

借りたジャージが少し大きくてズボンの裾を踏んずけて転びそうになる

リビングへ戻るとテレビを見ていたこころセンパイがオレに気づき手招きする

あたたかいココアを差し出されたので素直に受け取る

…うま甘さが丁度いい

「それで、なんで彰人は傘もささずに外にいたの
私が通らなかったらどこかで倒れて…今頃病院かもよ？」

「はは、こころセンパイ来てくれて助かったな」

「笑い事じゃないでしょーもう！とりあえず体温測って」

「別に大丈夫…ってわかったわかりましたから
…ちなみにもし熱あったらどうするつもりっすか」

「帰さないまだ雨降ってるし」

無理やり測ろうとしてきたので大人しく体温計を受け取る

別にだるくないし少なくとも家まで歩けるくらいには回復してるだろ

頭はまだ痛いけど…熱もある感じないし大丈夫っしょ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、という電子音のあと結果を見たセンパイががっとオレの肩を掴む

見ると怖い顔して体温計をこちらに向けている

「39.8℃で大丈夫って思ってたわけ？」

「…それオレの体温ですか」

「そうに決まってるでしょ」

絶対そんなに熱ないって

もう一度測ってみても39.7℃で

「…センパイ、」

「はーい明日お休みしようね〜」

ニッコニコなセンパイの圧に負けてソファにもたれ掛かる

…怒られそう色んな人に