オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ38)

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傷が38こページ38

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目の前でニコニコと笑っているこの人が怖い

オレが別れたらこいつはオレの言うことをなんでも聞くと言っていた

それは何のために？こころセンパイにメリットはないだろう

「…まだ5日あるからゆっくり考えなよ」

「まだって…」

「とりあえず5日間、お友達としてよろしくね！」

友達なんて、冗談じゃねえよ

こころセンパイといると苦しい

呼吸をすればするほど体が、思考が蝕まれるような

…羽宮こころはオレにとって、猛毒でしかない

「何回でも言うけど私は彰人と仲良くなりたいんだよ
冬弥くんからキミの話を聞くのは楽しいからね」

「…」

「あは、そんな嫌な顔しないで」

なぜか上機嫌で空になった弁当箱を仕舞い始める

冬弥からオレの話を聞いてるなんて予想外すぎた

だからオレの名前も、歌やってる事も知ってたのか

「─いい返事、待ってるからね♡」

唇に柔らかい感触とわざとらしくなるリップ音

流石に何されたのかはすぐに気づいた

「ちょっ…何すんだバカ！！！！！！」

は？なんで？意味わかんねえよ

なんで、なんでキスなんてすんの？

胸のあたりが気持ち悪い混乱とショックで涙が出てくる

「…その反応いいねじゃあまた明日！」

「この…クソ野郎…」

もう無理だわからない

羽宮こころは、何がしたいんだ

仲良くなんて死んでもなれるわけねえ…！