オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ37)

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傷が37こページ37

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「あーきとっ♡」

「……気色悪いですよ」

「そんな冷めた目で見ないで…あっちょ昼一緒に食べよって約束したじゃんー！！」

「オレは考えるしか言ってねぇよ勝手に決めんな！」

置いていこうと歩き出すと腕を掴んで騒がれる

うるせえしめんどくせえなんなんだこいつは

「冬弥くん今日も居ないじゃん！また司くんと食べるつもりなの！？」

「なんで冬弥休みなの知ってんすか」

「私図書委員なんだよ当番変わってくれないかって連絡きたの」

周りからの視線が痛い

ため息をひとつつき、腕を振りほどく

「あの、騒ぐのやめてくださいあと腕も掴むな」

「一緒に食べてくれるなら辞める」

「…購買いくから、とりあえず大人しくして」

「！はーい」

センパイは静かに後ろをついて来る

…疲れたまだ昼休み始まって3分も経ってないって言うのに

「仕方ないから一緒に食べてあげます中庭でいいですか」

「エッまだ別で食べるつもりだったの？！」

空いていたベンチに腰を下ろし買ってきたパンを開ける

こころセンパイも隣で弁当を広げ、特に会話もなく黙々と食べ続ける

…え、オレ一緒に食べてる意味ある？

しばらく経ってオレがパンを食べ終わった頃、こころセンパイはよくやく話し始めた

「それで彰人はどうするつもりなの？」

「…なんのことですか」

「そりゃAちゃんとの事だよ」

別れるわけが無い、とすぐ答えることが出来なかった

別れたくないと思ってるそれは嘘じゃない

でも殺す、という言葉が引っかかる

ただの脅しに決まってるそれでもオレは怯えてる

…先輩もいつまでもオレに構ってくれるわけじゃない

きっといつか本当に好きな人が出来て、その人と結婚するんだろう

その時オレは先輩にとって邪魔でしかない

願わくばその相手はオレがいいけど

─結局オレは何も言えなかった

「…これはAちゃんの気持ちちょっと分かるなあ」

「なんの話だよ」

「ふふ、ナイショ」

…羽宮こころの目的はなんなんだ？