オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ32)

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傷が32こページ32

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「このクソ女！！」

昼休み先輩にお昼を誘われたので屋上向かっている途中聞こえてきた大声

スルーしようとしたがそうもいかなくて

なぜならその喧嘩は屋上へ行く扉の前で起こっていて
声の主はこの間会ったレイってやつで、相手はA先輩だったから

咄嗟に身を隠してしまった

先輩、顔腫れてた叩かれたのか殴られたのか

「お前のせいで彼女に振られたじゃねえかよ！どうしてくれんだ！」

「いや私に告白してきたのアンタじゃん…」

「あ？お前が誘惑してきたからだろうがクソビッチが！」

何言ってんだコイツ

彼女いるのに先輩に告白した時点で100お前が悪いじゃん

「してねぇわ勘違いやめてくんない？」

「んだとこの…ッ」

「いﾞっ…」

ゴン、と鈍い音が響く

綺麗な先輩に、傷がつく

でも今オレが行ったところで逆効果になってしまうんじゃ

この間オレがいたせいであいつは先輩と遊べなかったんだし

どうしたらいい先生を呼んでくるか

そう思ったのに足は震えて動かない

オレ、こんなに弱かったっけ

「女子に手出すとかサイテー」

「はっ、10人近く恋人いるクソビッチに言われたくねぇわ笑」

「みんなそれを了承の上で付き合ってんのよ面白いよね」

「うるせえ話逸らしてんじゃねえよ」

ダメだ、怖い少しでも音を立てたらこっちに来てしまうんじゃないかって思うと息すらもできない

あんなの蹴り飛ばしてやりてえのに

オレの先輩だって、自業自得だって

「結局僕はさお前のせいで振られたの、わかる？
だから責任取ってくれよ…わかるだろ」

…だめそれはだめ嫌だ先輩に触るな

先輩に八つ当たりすんなゴミ以下が

なのに涙が出てくるばっかりで体が震えて動かなくて

「あー…いいよって言いたいけど
生憎そんなことしてる暇ないんだよな〜ごめんね！」

「…は？お前断れる立場にいるとでも思ってんの？」

「思ってるよ〜人権あるもん」

「うﾞぐっ」

明るい声で話し始めたと思ったらまた鈍い音

でも今度呻き声を上げたのは先輩じゃなくて

あー…忘れてた

「ほんと、昼休みの半分無駄に過ごしたわ」

「ぐ…」

先輩は

「うちのかわいい彼女、泣かせちゃったじゃん」

「……」

喧嘩強いじゃん

「…おまたせ、東雲くん」

「せんぱい…ｯ」

「何泣いてんの？本当にかわいいなあ」

抱きしめられてまた涙が溢れ出す

安心と、何も出来なかった自分が嫌で

「5時間目、サボっちゃおっか？」

「…はい」