オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ31)

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傷が31こページ31

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「…てかA、東雲とどういう関係なの？休日一緒に出かけてるって…まさかソイツも恋人の1人？」

「まさか、ただの友達だよ天馬繋がりでのね
今日も天馬の付き添いしてたら会って…巻き込んじゃっただけ」

「ふーん…じゃあ今から2人で出かけない？良さそうなカフェ見つけてさ」

一方的に認知されていたらしく急に話題に出される

先輩、行くのかな

でもオレが口出しする権利はない

オレはただの選択肢のひとつにいるだけで

先輩にとって特別な意味を持っていない人だから

迷っている様子の先輩がどんな言葉を発するのか

それが怖くて、逃げ出したい

もういっその事先に一人で帰ろうそれが一番誰も傷つかない

「あの先輩、オレもう─」

「ごめん東雲くん家まで送るからまた今度ね」

でも自分の言葉はまたもや先輩に遮られて

送るなんて、そんなことしなくていいのに

確かに一緒に帰ろうと言ってくれたのは先輩だけどそれはオレが一緒に帰りたそうにしてたからで

オレを優先する理由はないだろ…？

「…え？な、なんでそんなの別にどうでもいいじゃん送るとか、東雲は女じゃないんだし
普通、僕はAの恋人なんだからただの友達でしかない東雲より優先されるべきじゃない？」

レイさんがそう言った直後、辺りにパンｯ、と乾いた音が響いた

びっくりしたオレは思わずさらに一歩後ろに下がる

「…ウザ本カノでも無いくせにしゃしゃんな身の程知らずが」

少し下がった声のトーンとたじろぐレイさんの姿

足が少し震える

「は、本カノ？なんだよそれ」

「普通がどうとか知らねえよ私は私が優先したい人を優先する
カフェ行きたいならお前の彼女と行けば？私はもう二度とあんたと出かけたりしない」

「な、なんで知って…」

それは自分にもいつか訪れるかもしれない光景

先輩からの、拒絶で

「あと逆ギレして東雲くんに手を出したりするんならお前の顔面潰れるからな」

「っ…もういい」

よっぽど叩かれたのが痛かったのか、拒絶されたのが悲しかったのか

泣きながらそいつはどこかへ行った

「はー…帰ろ、東雲くん」

「あ…」

手を捕まれ歩き出す

胸が苦しい息がしずらいそんな気がする

オレだってもしかしたらああなるかもしれない

先輩を好きなら、間違えてはいけない

きっともう二度と声を聞くことも出来なくなってしまうから