オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ27)

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傷が27こページ27

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──きっとその日は運が悪かった

あのライブの日からしばらく経って、こはねと2人で出るイベントの日が来た

2人だった割にはかなり盛り上げれたと思う

帰りはこはねが用事あるらしく現地解散してオレは暇だからショッピングモールに来ていた

「…あれ、司センパイ？」

「ん？誰だ…って彰人じゃないか！今日は1人なのか？」

聞きなれた大声のする方に行くと案の定そこに居たのは天馬司

…そして隣にはA先輩

そういえばこの2人は学校でも一緒にいることが多い

仲がいいのか、やっぱり

もしかして、司センパイもA先輩と付き合ってんのかな

…なわけないか司センパイだし

「あ、っとその…イベントの帰りで暇つぶしに来ただけみたいな」

「ふむ…じゃあ少しオレの手伝いを頼みたいのだが」

「な、なんすか…嫌な予感しかしねぇけど…」

自分の顔がひきつるのが分かる

変人ワンツーの1人だぞ？絶対まともな頼み事じゃない

「─オレのショーに使う衣装を少し着てみて欲しいんだ！」

「…は？」

なんでオレがセンパイの衣装着なきゃいけねぇんだ

全く理解できない内容にハテナしか浮かばない

「ほら、彰人はオレと身長差がそこまで無いだろう？
鏡でも自分じゃ後ろ側が少し見ずらいから来て欲しいんだ」

「ああそういう…てか気になってたんですけどA先輩はなんでいるんですか」

「最初はAに着てもらおうとしてたんだ！ほら、身長高いだろう
羽織るだけなら大丈夫だろうと思ったんだがAが細すぎて…
類だと高すぎて合わないし、冬弥は用事あるらしくてな」

ほんとにちょうどいいとこに来てくれた！とまるで顔に書いてあるような笑顔を向けられる

「……まあ、いいっすけど」

「ほんとうか？！すごく助かった！じゃあえーっと場所は…オレの家でいいか？」

センパイの家がどこかなんて知らねえが
オレの家はどうせ絵名が居るから無理だし、いいですよと返事をする

「折角来てもらったしAも来るか？」

「んー…そうする暇だし」

どんな衣装かは知らないが司センパイの事だ、ショウ用のだろうしきっと派手だろう

それを先輩も見るのかと思うと少し恥ずかしい

「2着ほどあるんだがどっちかにしたいんだついでにどっちがいいかも選んでもらっていいか？」

「え…まあいいですけどそれどっちも着るんすかオレ」

「もちろんだ！」

「最悪…」