オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ23)

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傷が23こページ23

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あの後は会計してすぐ解散した

そしてその日から、先輩に会ってない

楽しかった、勉強また教えてください
みたいなLINE送ったけど既読すらついてなくて

テストだって今までより遥かにいい点が取れたのに報告できていない

既読ついてないLINEがあるのに、さらに送るのがなんだか嫌で何も連絡ができない

「…彰人、気持ちはわかるけどもうちょっと表情何とかなんないの？」

「東雲くん…寿命迎えたセミみたい…」

意味わからねえこはねの例えに突っ込む気力も出てこない

あきらかに先輩不足でメンタルが死んでいる

明日にはもうライブだけど先輩は来てくれんのか？

練習は手を抜いてない
むしろ久しぶりに先輩に会えるかもしれない、という気持ちでいつもより頑張ってる

「やっぱその先輩彰人に興味無いんじゃない？仮にも恋人のLINE1週間無視は無いでしょ」

「………やっぱ………そうだよな………」

「やめろ白石、彰人が死んでしまう」

「そんなんで死ぬ男なんてA先輩からしたら要らないでしょ」

「………」

「彰人？！」「東雲くんー！！」

よわよわのメンタルに杏の言葉がぶっ刺さる

やっぱ先輩からしたら告白してきただけの後輩で"オレ"には興味ねえよな…

「し、東雲くん！でも先輩もしかしたらライブ来てくれるかもしれないんだよね？
そしたらそこでかっこいいとこ見せてもっと興味持ってもらお？！」

「そうだな、歌ってる時の彰人は誰よりもかっこいいからな
きっとA先輩だって今よりも興味を持ってくれるはずだ」

「………そもそも来なかったらどうすれっつーんだよ」

「え、ええと…」「それは…」

「………まあお前らに言っても仕方ねえよな

とりあえず明日頑張らねえと」

八つ当たりしても意味が無い

崩れていた体勢を元に戻し気持ちを入れ替える

「先輩来て歌詞飛ばすとかしたらステージから蹴り落とすからね」

「それはそれで盛り上がりそうだな」

「ブーイングくるわ」