オレだけがハッピーエンド【東雲彰人】 (ページ17)

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傷が17こページ17

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ぐーっと伸びをして軽く片付けていると先輩が戻ってきた

「たぶん10分しないでお風呂沸くから、そしたら入ってね」

「わかりました、ありがとうございます」

することも無いな、とスマホを弄る

すぐ横のキッチンから料理を始める音が聞こえてくる

…なんか、同棲してるみてえだ

少し想像して、恥ずかしくなってやめる

そもそもオレが選んで貰えるのかって話だけども

…やっぱオレ、先輩の1番になりてえな

今すぐなんかじゃなくていいから、オレだけ見てくれる日が来ればなあ

そんな願い叶わないって分かってても思ってしまう

オレが見たことある他の子は、あの日捨てられた女子だけだ

えっとだから…あと6人？は知らないし、むしろ知らないからこそ1周回って耐えられてるけど

…もし知ってたら、正気で居られるかどうかもわからねえ

こんなこと思ってるって知られたら先輩に嫌われるのは確実だけどな

自虐気味に軽く鼻で笑う

ピクシェアのTLを意味もなくスクロールしていると急に軽快な短い音楽が流れる

「…あ、東雲くんお風呂沸いたよ
そっちの突き当たりだから行っておいで」

「っびっくりした…行ってきます」

着替えを持ってキッチンの横を通り過ぎようとする…が、先輩に止められる

「なんです……んっ」

反射的に目をつぶってしまった

ほんの一瞬だけの、短いキス

驚きと恥ずかしさでなんも考えられない

「…かわいいじゃあいってらっしゃい」

「い、いきなりしないでくださいよ…てかいうかこん…いや…なんでもないです」

早足でその場を離れる

…こんなの、風呂の前にされたら入りたく無くなるだろ

先輩に触れられたところ、次いつしてくれるかもわかんねえのに、すぐ洗うなんてしんどすぎる

ばか、先輩の馬鹿意地悪