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傷が6つ ページ6

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食べ終わったあともボーっとしていると昼休みの終わりのチャイムが鳴る

まじかよ、もうそんな時間か 急がねえと…


「また彼女ってどういうことなの!!」


階段を降りようとすると話し声が聞こえてきて、思わず立ち止まる

盗み聞きをしたい訳じゃないが、横を通り過ぎる勇気はなかった

…だって、先輩がいるから

隣にいる女の子、先輩の他の彼女かな


「…彼女1号ちゃん もう1回言ってよ」

「わ…私がいるのにどうして他の人とも付き合うの?
私が最初の彼女なのに、最近どんどん増えてるし
昨日もまたひとりできたって、なんなの?!私との時間も減ってる!私が最初の彼女なのに!

もっと、もっと私を見てよ!」


彼女1号ちゃん

先輩の、1番最初に出来た彼女?

顔は見えないけど髪は長い

タメだし、同い年なのか?

別に気にしないとは言ったもののいざ見てしまうと苦しい

それにあの子が私だけを見てほしいって言ったとき、舌打ちが聞こえた

…その言葉は先輩にとって地雷なんだと思う


「あ"っ………」

「お前さ…私がわざわざ時間作って付き合ってやってんのにわがまま言うの?」


ドン、と大きな音が鳴る

見なくても音と声でわかった

…きっとあの子は、蹴り飛ばされた


「…え?」

「え?じゃねの 私だけを見てほしいとか気持ち悪いわ
好きって言われたから付き合ってやってんの 私は別にお前じゃなくていいんだよ?」

「なんで…い"ッ……」

「なんでって…逆になんで?私がいつお前に好きって言った
最初の彼女?だから特別だと思った?な訳ないわ
もういいわ 二度と視界に入ってこないでね」


5、6回 鈍い音がした

オレはその場から動けなかった

怖くて動けなかったわけじゃない

あの子が居なくなったら、先輩があの子の分まで
オレに構ってくれるかもしれないからって、動かなかった

我ながら最低だとは思うけど

そして私だけ見てほしいと言ったあの子は、案の定先輩に捨てられた

つまりオレも言ったら同じ目に遭うということ

そして先輩は別にオレのことが好きだから付き合っている訳では無いということも
…まあそれに関しては噂とか最初の時点でわかってたが


「…で、東雲はいつ出てくんの?」

「なんっ……」


…ああ、屋上のドアが開いた事に気づいていたのか

先輩の事だ、話してる最中も別の場所を見ていたんだろうな

なんて考えてる場合ではないけど

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黒猫 - コメント失礼しますっ!!今までの作品の中で、1番好きです😭✨これからも、無理のないよう頑張ってください🙇⋱ (2022年2月13日 22時) (レス) @page21 id: 8f1acdf27e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなた | 作成日時:2021年11月12日 22時

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