魔王 ページ2
あの事件から数年。
さくらは教会で子供達に読み聞かせをしていた。
｢今日は、悲しい天使のお話をします｣
｢天使？｣
｢そう｣
彼女が見せた本には…
｢これって悪魔じゃないの？｣
｢怖いよ｣
天使とはかけ離れた、怒りに顔を歪めている人物が描かれていた。
｢こっちは？｣
本をめくると、羽を生やして暖かな光に囲まれている絵が見えた。
｢綺麗！｣
｢この人はルシファーといって、神様にとても愛されていた天使よ。優しくて朗らかで、みんなからとても好かれていたの。
でもある日...ルシファーは神様の怒りをかって天国から追い出されてしまった｣
この話をすると、今は亡き兄の姿が頭をよぎる。
根元は違うにしろ、似ているのだ。
悲しい復讐に身を投げた兄と、ルシファーが。
今でも目を閉じれば思い出すあの事件。
それはさくらにとって、忘れたくても忘れられないものだった。
＿＿＿
コツコツ...
暗い倉庫に響くのは、男の靴音。
男はスーツに身を包み、その手には花束が握られている。
男は迷いなくある一点に向かって歩くと、その場に花束をそっと置いた。
それから優しい手つきでコンクリートを撫でた。
何度も...何度も。
＿＿＿
｢行き場を無くしたルシファーは、サタンと名前を変えて地獄に舞い降りたの｣
＿＿＿
男は決心を固めたように勢いよく立ち上がった。
｢英雄...見ていてくれ｣
今まで感情が欠落していたように見えた男。
けれどその時、確かにその瞳に復讐の色が見えた。
＿＿＿
｢そこで...魔王になってしまった｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1648人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sakura(プロフ) - 優雨さん» ですが貴方のように完璧に仕上げるべきだと思う方がいるのなら、更新は停止してそちらに集中します。すみませんでした。 (2020年7月28日 16時) (
レス) id: 9922f42e1a (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 優雨さん» 指摘のコメント、続けてありがとうございます。私は1度書いてから何度か見直してはいますが、素人が書いていて出版する訳でもないので完璧には仕上げられていません。 (2020年7月28日 16時) (レス) id: 9922f42e1a (このIDを非表示/違反報告)
優雨 - また続けてのコメントですみません...。 これ正しくは人気を誇っています。ではないんでしょうか？ (2020年7月28日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
優雨 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 熱愛報道のここの部分 初めて出演した『魔王』では幼いながらに他を圧倒する演技力を発揮するなどと、演技力でも絶大な人気を誇を誇っています。 (2020年7月28日 15時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
優雨 - こんにちは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ＊ページ10のここの部分 廉くんはペットボトルを机に起きながら、隣の椅子に腰掛ける。 これ正しくはペットボトルを机に置きながら、ではないんでしょうか？ (2020年7月28日 14時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sakura | 作成日時：2019年6月23日 14時
