『拝啓、いつかの貴女へ』Ⅱ (ページ20)

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４４話《ほのぼの日常》ページ20

赤『俺だ。ボウヤ。すまないが電車に乗れそうにないから先に行っててくれ。すぐ追いつく。ああ。じゃあ、また。』

『あ、ちょ！お礼くらい言わせてよ！！』

赤『お礼は後でもいいだろう。とりあえず着替えたらシェルビーでいくぞ。』

そう言い、秀一はクローゼットを開けるとすぐに着替え始めたので慌てて自分の部屋へ逃げるように駆け込んだ。

『なんで私がいるのに着替え始めるのよ！あのバカ！』

悪態を呟きながらもささっと着替え始める。
半袖の紺色ワイシャツと、通気性のいい毛糸っぽい白と青のカーディガンに短パン。
軽くナチュラルメイクを施し部屋を出ると昴に扮した秀一がいた。

沖『さて、行きましょうか。お姫様。』

『きゃ！っちょっと！お姫様抱っこなんてしなくても歩けるから！』

沖『私としては貴方を抱えたままでいたいのでおろしません。』

いつものにこやかな笑みを浮かべながら車庫まで向かった。
人がいないとはいえ流石にすごく恥ずかしい。
主に高速に乗っていたせいか、すぐに子供達に追いついた。

阿『おお。二人もちょうどきたのぅ。』

コ『どっちが寝坊したのかはだいたい予想がつくよ。』

『私の場合、教えてもらってなかったから知らなかったよ。』

私がにっこり笑いながら秀一を見る。
秀一は顔を違う方へ逸らした。

沖『あれに乗りましょうか。ジェットコースター。』

コ『あ、Aさんは絶叫系平気？』

『多分…。絶叫系あんまり乗らないから。』

沖『では、乗れそうな人は一緒に行きましょう？ねえ、A。』

そう言って子供達が返事をする中秀一は私の手を掴み、逃げられないようにした。

哀『私は博士が油物とか甘いもの摂取しないように見張ってるから楽しんでらっしゃい。』

その言葉に光彦君はしょげていたが、あゆみちゃんたちに連れられジェットコースターへと向かった。
もちろん小学生でも乗れる…しかし。

『スピードが…小学生とかのレベルじゃない気がする。』

小さいお子さんが乗ってるにもかかわらずかなりのスピードが出ているがお子さんは元気…親はげっそりして出てくる。