『拝啓、いつかの貴女へ』Ⅱ (ページ17)

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４３話《真実と信実》前編ページ17

彼らのアジトに着くとジンがいた。タバコをふかしながら待っていたかのようにそこに立っていた。

赤『ホォー。なぜ来るとわかった。』

ジ『知らねえな。俺はただここで煙草ふかしてただけだが。』

『ジン！』

私は無我夢中で走りジンに飛びついた。
後ろからすごく痛い視線を感じる…。後で謝らなきゃ。

ジ『！！リキュール…？！記憶は？』

『戻ったから来たんだ。あのことを後悔させないためにきた。私は二人の弾丸なんて食らっても痛くもないよ？でも、ジン…そして秀一の悲しい顔見た時の方がよっぽど心が痛かった。でも、今はもう平気だから。大丈夫だから。』

ジ『ｯ…そうか。…お前には真実を伝えねえとな。俺の想いとともにな。』

私と秀一は黙って聞いていた。
ジンのボスが何故殺すなと行った理由は、私のお母さんが軍隊医師だったのにも関わらず、怪我を負ったボス、そしてラムの手当てをずっと治るまでしていてくれた。立場上、危ういのにも関わらず怪我をしている同じ人間を放って置けないと。ボスを平手打ちして怒鳴ってでも手当し続けた。
そして数年たって私が潜入してきて顔を見た時から、私がお母さんの娘だとすぐ気がついたこと。だから、今回の件は恩返しのつもりで殺さない…その代わりにもう2度と近づかないことを約束しろとのこと。

そして、ジンは真剣な眼差しで私を見つめ口を開いた。