『拝啓、いつかの貴女へ』Ⅱ (ページ1)

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３３話《守るが為ならこの命惜しくはない》ページ1

赤井side

いい加減、あの男も気づいているだろうな…。賭けるか。
ここからならあの港に追い込めば俺にとって都合がいい。
どうにかして誘導させないとな。

そう思い、スピードを上げポルシェの真後ろまできた。
すると気づいたのかスピードがさらに上がった。
離れないようにこちらもスピードを上げる。

さて、問題はここから。次にある右車線にどうやって追い込むか。
前にトラックか、一か八かの大賭けに出るか。

ポルシェをできるだけ追い込み、左は壁、前はトラック、後ろには俺という逃げ道は右しかないようにした。
案の定、ポルシェはスピードは出してはいるものの攻撃するような体当たりをしなかった。
理由はAだろう。

赤『さて、もうその道は下りで一方通行でしかない。』

スピードを上げて、相手を翻弄させるように追い込む。
程なくして、港の岬についた。
人気も少なく、ここは廃工場だから銃を乱射しても誰も気づくことはない。
ポルシェから降りるジンとシェルビーから降りる俺は面と向かった。

先に口を開いたのはジンだった。

ジ『諦めろ。あいつは連れてく。』

赤『嫌だ…と言ったら？』

ジ『お前との撃ち合いも楽しそうだが…。一発で仕留めてやる。』

赤『ホォー。やってみるか？』

少し静寂と共に同時にホルスター、または懐から拳銃を出し構え引き金を引いた。

この時、撃たなければよかったなんて誰が思うのだろうな？