【REAL⇔FAKE】嘘のようでリアルな恋 (ページ9)

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2人っきりのリビングに重い沈黙が落ちる

Aを見ると､相変わらず俯いたまま黙り込んでいる

ふとAの手を見ると､薄くだけど赤く痕が残っていた

自分でも驚くほど強く握っていたんだと自覚する

同時に申し訳ない気持ちが込み上げる

｢なぁ､A｣

俺が名前を呼ぶと､Aはビクリと肩を揺らす

A｢.....はい｣

Aは返事こそしてくれるものの､顔は上げてくれない

｢.....こっち向けよ｣

それでも俺を見ようとしないのか.....

俺は立ってAに歩み寄る

隣に座ると､Aが緊張しているのが伝わってきた

｢悪い､強引なのは嫌だったよな.....色々悪かったと思ってる｡謝りたいんだよ､俺...だからこっち向いて欲しい｣

自分でも驚く程に優しい声が出た

その声のまま､自分の思いを伝える

Aもそれが伝わったのか､やっと俺の方を見てくれた

あの頃よりも大人っぽくて綺麗になったAは､相変わらず俺をドキドキさせる

A/悠『｢あの..........｣』

声が重なった｡

Aが譲ってくれたので､腕は大丈夫か確認する

A『大丈夫ですよ!少しすれば治ります』

謝り倒す俺にAが笑うのを感じる

A『そんなことより､さっき謝るって言ってましたけど､そんなの良いですよ』

｢それはダメ｡俺が謝るの｣

それは譲れない

Aが困ったように笑って､自分の方こそ謝るなんて言い出す

｢だーめ｡謝るのはAじゃないの!俺なの!｣

A『ええ〜』

すっかり緊張が解けたように笑うAに､俺もつられて笑う

と､バタバタと足音が聞こえてくる

??｢A〜!!｣

A『あ､お兄ちゃん遅い〜!』

凪｢ごめん!!急に用事が入っちゃって.......怒ってない?｣