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｢どうやらダンスが始まったみたいですね｣
｢ご令嬢の今日のダンスのお相手は？｣
子爵の問いかけに、残念そうに顔を俯かせて首を左右に振る。
｢残念なことにいませんの｣
｢おや、そうなのですか。けれど貴女には婚約者がいらっしゃるはず。その方と踊りにはならないのですか？｣
｢いつも一緒...という訳ではありませんから｣
妖美な雰囲気を醸し出すAに、子爵は喉を鳴らす。
｢もしよろしければ、ダンスのお相手を願えますか？｣
まさかここまでスムーズにいくとは。
だが、ここで安心して気を緩めてはいけない。
怪しまれないように、笑顔で子爵の手を取った。
｢はい、よろこんで」
子爵にエスコートをされながら、ダンスをするべくホールの真ん中へと向かう。
因みに、その一部始終を陰から見ていたシエルは、ベタベタとAの体に触れる子爵にイラついていたのだった。
＿＿＿
ダンスを終えると、子爵はAを連れてある人物の元へと近寄っていく。
｢素晴らしい。とても可愛らしいダンスでしたよ、お嬢さん｣
その人物とは、先程までセバスチャンとダンスを踊っていたシエルだ。
Aは子爵とのダンス中にシエルについて軽く話していた。
その話を聞いて興味が湧いた子爵は、こうしてAと共にシエルの元を訪れたのだ。
｢お嬢様方、私は何かお飲み物を｣
男である自分がそばに居ると警戒されかねないと考え、セバスチャンは断りを入れてその場を去った。
｢パーティーは楽しんで頂けてるかな？｣
子爵の質問に、シエルが答える。
｢素敵なパーティーに感動しています。
私、ずっと子爵とお話したかったの｣
｢ほう｣
｢ダンスもお食事も飽き飽き｣
その言葉を聞くと、子爵はニヤと微笑んだ。
｢わがままなお姫様達だね。もっと楽しいことをご所望かい？｣
会話をしながら自然な動作で二人の腰を摩る。
手の速さにAは頬を引きつらせ、シエルは鳥肌が立つと同時に、怒りを覚えた。
＿＿ガマンだ！ガマンしろ僕！！この為だけに僕はあんなことやこんな事までしたんじゃないか！！！
腰にある手を叩きたい衝動に駆られるが、地獄の特訓を思い出して何とか怒りを抑えていた。
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MOMO(プロフ) - 26ページの最後の”夜空に浮かぶ月だけだった”っていう表現の仕方が凄く素敵で綺麗です！！その夜のこともいつか詳しく書いて欲しいです／／これからも頑張って下さい！ (2023年2月20日 5時) (
レス) @page26 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
//// - や、やばい・・・ (2018年2月10日 13時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
aiai1121224(プロフ) - とても面白くてすごい好きな作品です！更新頑張ってください！応援してます！シエルとってもかっこいいです！ (2017年12月30日 1時) (レス) id: cb7124050f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - フォローがホローになってました (2017年11月3日 15時) (レス) id: 394e6279c9 (このIDを非表示/違反報告)
SHION*(プロフ) - 三日月プリンさん» 直しました。教えてくれてありがとうございました！ (2017年10月24日 21時) (レス) id: 2fd90462d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2017年1月18日 19時
