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｢聞きたいのは、切り裂きジャックのことだろう？今頃になって騒いでいるけど、小生がああいうお客を相手にしたのは初めてじゃないよ」
一同は出されたお茶を飲みながら、葬儀屋の話に耳を傾ける。
｢初めてじゃない？どういうこと？」
マダムの質問に、葬儀屋は骨型クッキーを食べながら答える。
｢昔から何件かあったんだよ、娼婦殺し。ただ、どんどん手口がハデで残酷になっている。最初はそんなにスプラッタじゃなかったからヤードも気づいてなかったけど、ホワイトチャペルで殺された娼婦には共通点がある」
｢共通点？」
｢さてねぇなんだろう、なんだろうなぁ。気になるねぇ」
意味有り気な笑顔に、その後に続く言葉を知っているシエルは嫌そうに顔をゆがめた。
｢なる程ね、そういうことか。葬儀屋は表の仕事という訳ね。
いくらなんだい？その情報は」
劉の言葉に、葬儀屋は勢いよく彼に顔を近づけた。
｢小生は女王のコインなんかこれっぽちも欲しくないのさ」
その勢いに圧倒された劉は、来た時同様に顔を青くさせてガタガタと震えている。だが、葬儀屋はそんなこと気にしていない。
｢さあ伯爵、ご令嬢。小生にあれをおくれ。極上の笑いを！！
そうしたらどんなことでも教えてあげるよ！」
金には興味が無い彼にとって、生者がもたらす笑いは最高の報酬なのだ。
葬儀屋は息を荒くさせながら、棺に上半身を乗っけている。毎度の事ながら、シエルとAはその光景を見て引いていた。
｢...そういうことなら我に任せない」
妙に自身たっぷりに出てきたのは、先程まで顔を青くさせ震えていた劉だ。
｢上海では新年会の眠れる虎と呼ばれた我の真髄、とくとご覧あれ！！」
何故か背後に荒波が見える。
そして、彼が口にした一発ギャグとは...
｢ふとんがふっとんだ」
今時、子供でも言わなそうなものだった。
当然葬儀屋は笑わず、冷めた目で劉を見ている。だが劉本人は何故ウケなかったのかと本気で疑問に思っている様子だ。
新年会の眠れる虎、葬儀屋に敗れる。まぁネタ自体がつまらないので、このまま眠ってくれたままの方が新年会も盛り上がると思われるが。
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MOMO(プロフ) - 26ページの最後の”夜空に浮かぶ月だけだった”っていう表現の仕方が凄く素敵で綺麗です！！その夜のこともいつか詳しく書いて欲しいです／／これからも頑張って下さい！ (2023年2月20日 5時) (
レス) @page26 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
//// - や、やばい・・・ (2018年2月10日 13時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
aiai1121224(プロフ) - とても面白くてすごい好きな作品です！更新頑張ってください！応援してます！シエルとってもかっこいいです！ (2017年12月30日 1時) (レス) id: cb7124050f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - フォローがホローになってました (2017年11月3日 15時) (レス) id: 394e6279c9 (このIDを非表示/違反報告)
SHION*(プロフ) - 三日月プリンさん» 直しました。教えてくれてありがとうございました！ (2017年10月24日 21時) (レス) id: 2fd90462d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2017年1月18日 19時
