その執事、始動 ページ26
英国の夏は短い。最も気候の良い５月〜８月は、
｢御二人が町屋敷へいらっしゃるのは、久しぶりですね」
｢手紙さえなければ誰が...人が多すぎて満足に歩けもしない」
馬車から降りたシエルは人の多さに顔を顰め、帽子を深くかぶり直す。
｢たまには屋敷を離れるのも、気分転換になっていいじゃない｣
｢お嬢様のおっしゃる通りです。あの四人もいないことですし、静かに過ごせそうじゃありませんか」
因みにその四人とは、お決まりのトラブルメーカーである使用人達の事だ。彼らは今回屋敷でお留守番だ。
シエルだけでなく、セバスチャンもトラブルメイカーがいないことで多少はゆっくりできると考えているのか、いつもよりも笑顔だ。
彼はその笑顔のまま、主人たちを迎えるべく扉を開けた。
｢この家はドコにお茶しまってんのかしら」
｢見あたらないねぇー」
扉の先に見えてきた光景は、言葉を失うものだった。
赤いドレスを着た女性、中華服を着た男性、燕尾服を着た男性が、足の踏み場もない程部屋を散らかしていた。
｢アンおば様！？劉！？」
｢何故ここに！」
部屋の惨状に顔を青くしながら、Aとシエルは声をあげた。セバスチャンに至っては、あまりの光景に固まっている。
｢あら、早かったじゃない。可愛い甥っ子と姪っ子がロンドンに来るっていうから顔を見に来てあげたのよ」
｢やあ伯爵、ご令嬢。我は何か面白そうなことがあると風の噂で聞いたものでね」
劉にとってシエルとAが関わる事件は、異国暮らしの良い刺激になるらしい。
なんとも自由すぎる理由でここに訪れた彼らに、二人は呆れていた。そんな二人に変わり、執事としての調子を取り戻したセバスチャンが対応する。
｢これはこれは、お客様をお迎えもせず申し訳ありません。すぐお茶の用意を致しますので少々お待ち下さい」
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MOMO(プロフ) - 26ページの最後の”夜空に浮かぶ月だけだった”っていう表現の仕方が凄く素敵で綺麗です！！その夜のこともいつか詳しく書いて欲しいです／／これからも頑張って下さい！ (2023年2月20日 5時) (
レス) @page26 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
//// - や、やばい・・・ (2018年2月10日 13時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
aiai1121224(プロフ) - とても面白くてすごい好きな作品です！更新頑張ってください！応援してます！シエルとってもかっこいいです！ (2017年12月30日 1時) (レス) id: cb7124050f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - フォローがホローになってました (2017年11月3日 15時) (レス) id: 394e6279c9 (このIDを非表示/違反報告)
SHION*(プロフ) - 三日月プリンさん» 直しました。教えてくれてありがとうございました！ (2017年10月24日 21時) (レス) id: 2fd90462d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2017年1月18日 19時
