その執事、交渉 ページ20
シエルのテント前で彼のことを待っていると、ゴホゴホと咳き込みながらやってきた。
咳が気になりはしたものの、Aは彼に近寄り、耳元で事の結果を伝えた。
｢ごめんなさい。あの人が見当たらなくて、テントの場所が分からなかった」
あの後すぐにセバスチャンと共に公演が行われている会場まで向かったが、すでにドールの姿はどこにもなく、周囲を探しても見つけることはできなかった。
｢いや、いい」
ゴホゴホと咳き込みながら、気にするなと言った。
｢そいつなら僕と同室の...」
そこまで言いかけて、シエルははっと言葉を止めた。
ちなみにこの後に続くはずだった言葉は、ソバカスがドールであったという言葉だ。だが知らなかったとはいえ、女性と同室というのは婚約者の立場からしたらいい気分ではないだろう。自分ならば嫌だ。
ここはあえて何も言わない方が良いのではないか、シエルはそう考え、再度気にするなと言った。
｢それより、セバスチャンのところに行くぞ」
シエルは怒りを抑えきれないとばかりに眉間にシワをよせる。
＿＿絶対、何かあったわね。
ドールに関してシエルは何かを知っている。けれどこの様子ではこれ以上深追いすることもできない。
Aはしょうがないと諦め、シエルの後を追ってセバスチャンのテントへと向かった。
ーーーー
テントへ着くと、シエルは声をかけることもなく入って行った。
｢貴様、僕がまだあそこに残っていると知ってて毒蛇を解放したな？」
シエルがここまで怒っているのは、セバスチャンが毒蛇を解放したことについてだった。
契約の元、セバスチャンはシエルのことを守らなければならないはずなのに、これは契約違反では無いのかとシエルは怒る。だがセバスチャンの言い分は、シエルの采配ミスだと。それに、ゲームにはスリルがつきものだとも。
どれだけ完璧な執事であろうが、彼は悪魔だ。そのことを再度認識させられる出来事に、シエルは悪態をつきながらもそれ以上追求はせず、調べてわかったことを報告しだした。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
