思い出すのは、いつも (6)【黒尾鉄朗】［完結］

おまけ ページ47

「てかアキくん、赤葦さん知ってるの？」



「赤葦は木葉の後輩。

俺と違って同じ高校のバレー部」



「えー！そうだったんですね！


あ、じゃあ。

アキくんと赤葦さんと木兎さんが、

チームメイトだったってことですか？！」





ほーーーーら。



"そうだったんですね！" ですってよ？





「そゆこと」



「あ、アキくん！

前に一緒に仕事してた出版社の人！赤葦さん！」



「…………はぁ？！あれが赤葦なの？！」





こいつ、Aと赤葦が一緒に仕事してたのも知ってんのかよ。




あーーーー、でもアレ始まったの


不本意だけど、ちょうど別れてた時期か。





「だから赤葦には披露宴から参加してもらってるよ。

てかなに木葉、赤葦も "名前ナシ" で知ってたの？」





俺のこともどーせ


"彼氏" とか "元彼" って言われてたんだろうなァ。




なんて。





だけどじゃあ、


コイツだけ "アキくん" だったってことだよな？





…………ふーーーん





「Aが仕事の進捗とかよく話してきてたし。

その時よく "担当の人が" って言ってたのが赤葦ってことだよな？」



「そうそう！」



「まじかよ〜！ほんと世の中せまっ！

赤葦、こいつ迷惑かけなかった？」



「迷惑だなんて。こちらがたくさん助けてもらいましたよ」



「ね？！アキくん言ったでしょ？

私、仕事だけはちゃんとしてるから！」



「想像できねー(笑)

Aが働いてるのって、散々迷惑かけ倒されたバイトの時しか知らねーし(笑)」





俺が知らないAを知っている木葉は



やっぱり腹立つ！





「なんだかよくわからないんですけど

木葉さんも新婦側ってことですか？」



「あーウン。友達？」



「意外ですね」



「俺もそう思いマース」



「どーいう意味だよ」



「…………え？！

っていうことはアキくんもバレーで全国大会とか出てたの？！」



「あぁ、うん」



「そこは知らないんだ？」



「アキくん言ってくれなかったんですもん」



「優勝できなかったし」



「あ！赤葦さんと一緒に準優勝？！」



「あぁ、ウン。

あの試合は、なぁ」



「いや、あそこで上げたお前はスゲーよ」





これは本音。

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