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海で.2(黒尾) ページ30

「あーーーーーー!緊張した!」



「そうなんですか?(笑)」





目の前のAは泣きながら笑ってる。



その涙を、そっと拭う。





「緊張しないわけないじゃん。

……………って、げっ」





あーーあぁ。





伝えることに精一杯になっていて、


肝心なモノを渡しそびれていることに気づく。





「なんですか?やっぱりやめるんですか?」





んなわけ。





でも





「イヤ、あーーーーー最悪だ」





どんだけ余裕ないんだよ。



思わず、頭を抱えて宙を仰ぐ。





「ごめんな?」





スマートにできなくて。





「…………何が、ですか?」





右のポケットに手を入れて


昨日からずっとそこにあったモノを取り出す。





「…………コレ」





やっとポケットから出せたのに


完全に出すタイミングを間違えている。





「プロポーズの言葉と一緒に渡す予定だったんだけど。

ゴメンな?」





ホントーに。





「なんで謝るんですか?

謝らないで下さい」



「ゴメンな?………あ」




もうAのこと、


言えねーなぁ。



でも





「…………いいや。左手」





Aの左手を取って





「これからも、よろしくお願いします」





そっと、Aの左の薬指に通す。




よかった、ピッタリ。





Aを見ると、一生懸命


涙を堪えようとしているように見えるけど、




だけど、結局


堪えきれなかったようで。





いつもだったら泣くなって言ってるんだけど



今日は、涙を流してくれることが


どうしようもなく嬉しい。





しばらく涙が止まらないAを抱きとめて


背中をさすった。





「黒尾さん、ズルいです」



「なんで?」





なんで?と聞くと




なぜかAは



少し走って俺から離れて。





「指輪まで、用意してくれてて!」





ちょっと離れたところから


両手を広げて大きな声でそんなことを言われて。





嬉しそうにしてくれているAに


俺の口元も緩む。





Aのところまで歩いて、手を繋いで




二人一緒に、散歩を再開。

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設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗 , 黒尾   
作品ジャンル:アニメ
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しの(819)(プロフ) - yuuuさん» かっこいい黒尾さんがテーマの一つだったのでそう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございました(^^) (3月15日 23時) (レス) id: 62e245c3f7 (このIDを非表示/違反報告)
しの(819)(プロフ) - 凛愛さん» 解釈一致、嬉し過ぎます!!ご覧くださりありがとうございました! (3月15日 23時) (レス) id: 62e245c3f7 (このIDを非表示/違反報告)
yuuu(プロフ) - もう本当に面白かったです!黒尾さんカッコ良すぎでした! (2月26日 23時) (レス) @page49 id: 6410d877bf (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 楽しく読ませていただきました!!黒尾さん解釈一致すぎました…ありがとうございました(*´ω`*) (8月17日 22時) (レス) @page50 id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
しの(819)(プロフ) - 妄想合唱部さん» ありがとうございます!(^^) (2022年8月21日 21時) (レス) id: 62e245c3f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しの | 作成日時:2020年11月28日 21時

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