思い出すのは、いつも (6)【黒尾鉄朗】［完結］

海で（黒尾） ページ27

そんな俺は置いてきぼりで、





「わーーーー！」





Aが一人走って、波打ち際へ





スカートを少し捲し上げながら波を蹴るA




なんだかいつもより幼く見えて



愛おしさが増す。





…………ヤッベェなぁ





さーって、


どーすっかなァ。





ひとり遊ぶAを


少し離れたところから眺める。





楽しそうなAを見て



そもそも別に、今日じゃなくてもいいのでは？




　
また改めて、いい感じのレストランとか予約して



そういうのも全然アリだよな？





むしろAも、嫌いじゃないはず。





いや、それでよくね？





せっかく二人で過ごす時間だ。





余計なことばかり考えているより


今の時間を、楽しむべきなのでは？





"別に無理して、今日にこだわる必要はない"





そう思うと



フッと肩の力が抜けて。





そんな俺たちの横を、心地いい海風が通り過ぎる。





「おー。パンツ見えそー」





ふわりと揺れるAのスカート



男のロマン。





「最低ですね」



「いーじゃん。俺以外いないし。

てか俺以外がいるところでパンツ見せちゃダメよ？(笑)」





ホントーに。





「見せないし、朝から何言ってるんですか！もう！」





そう言いながらAが走ってこっちにくるから


とりあえず走って逃げてみる。





朝の貸し切りの海岸を二人で追いかけっこ？とか


なんかめちゃくちゃ漫画みたいで楽しいな？！





だけど振り向くと



ずっと手前で

肩で息をしながら座り込んでいるAを発見。




まぁ、そーなるか。





一生懸命走ったんだなァ


なんて思いながら




座り込むAの元へ。

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