思い出すのは、いつも (6)【黒尾鉄朗】［完結］

その後（のその後） ページ12

「だからもし、私がまた別れるって言いだしても

ちゃんと嫌だって言ってくださいね？」



「りょーかい。俺は言わないから大丈夫かな？」



「ほんとですか？」



「うん。約束する」





黒尾さんの言葉に


お互いの右の小指を絡ませて。





私の小指に


黒尾さんの唇が触れる。





そして、チリッと



痛みが走る。





「これで大丈夫」





優しい表情





「約束です」



「うん。約束」





もう一度黒尾さんに抱きつきなおして





「ちなみに黒尾さん。

誕生日の日、おめでとうって」





私が返さなかったメッセージ





「うん」



「ありがとう、ございました」



「どういたしまして」



「私、返してなくて。

あと、黒尾さんへはおめでとうございますって伝えてなくて。

すみませんでした。


遅くなりましたが。

お誕生日、おめでとうございました」





あの時は、どういうつもり？って


かなり取り乱された。




だけど今日、真相がわかって




いただいたメッセージにお返事をしなかったのは


よくなかったなって反省。





「んーん。

俺こそ、未練がましいなぁって思いながらだったし。


だけど、やっぱりもう一度

どうにかできねーかなぁって。


だから返事なかった時はショックだったけど」





眉を下げながらクククッて


笑ってる。

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