思い出すのは、いつも (4)【黒尾鉄朗】

九月一日 ページ24

いつもと違う電車に乗って



最近教えてもらったおにぎり屋さんへ





前に行った時、


けっこう一人の人も多かったから

勇気を出して行ってみる。





九月になったし


新しいことに挑戦しよてみよう……！





なんか、そんな感じ。





少し緊張しながらお店に入ったけど



程よい混み具合？で


空いてる席に通してもらって。





他の人に紛れて、カウンターで食事をした。




一人なんだけど、そうじゃないような気になって。





そしておにぎりが


すごく、美味しかった。





「あれ？お姉さん

この前来てくれてましたよね？」



「あ、はい。会社の人に教えてもらって」



「今日一人で来てくれはったんですか？」



「あ、はい。すみません」





なんとなく、謝る。





「なんで謝るんですか？！

一人で来てくれて、めっちゃ嬉しいわ〜！

ゆっくりしてってくださいね？」



「ありがとうございます」





気さくなお兄さん



なんか、いいな。




こういう、一人で来れるお店ができるのはありがたい。





しっかりと食事して、お会計を済ませて



帰りの電車に乗る。





普段はずっとスマホを見てるけど





なんとなく。





スマホは今日もバッグの中にしまったまま


その他はいつも通り、家に帰った。





でもたぶん、


黒尾さんからの返事はないだろう。





理由はないけど、



なんとなく。





一応、昨日と同じように


ドアの前でスマホを確認する。





見る瞬間はやっぱり緊張したけど




昨日ほどの緊張はなかったし、





やっぱり



黒尾さんからの返事はなかった。

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