弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

九十松 ページ45

おそ松said


俺は小さい頃、兄貴が好きだった。弟達には内緒でよく兄貴と二人だけで遊んでいた。六人でいると、どうしても兄貴の取り合いになるから、六つ子の輪の中に兄貴は入れなかった


おそ「兄ちゃん、これ作って！」


『ゴム鉄砲？いいけど、人に向かって撃つなよ？』


おそ「分かってるよ！俺もうすぐ小学生だぞ！」


この頃から兄貴に対する感情が変わってきた。俺が出来ない事を簡単にこなす兄貴に、凄いって思うよりなんでって思うようになった
何で兄貴に出来る事が俺には出来ないのか、それが憎たらしく思えてきたんだ


「お前の兄さんはもっと成績良かったぞ」


「お兄さんが出来てたんだから、お前も出来るだろ？」


小学校に入ってから、兄貴と比べられる事が多くなった。勉強も運動も、全部を比べられて 学校は居心地が悪かった
弟達も同じ事があったみたいで、よく寝る前にそのことに対しての愚痴大会を開いていた


＿＿＿ならさ、兄ちゃんのこと無視しよう。そしたら少しはスッキリするんじゃない？＿＿＿


誰が言ったのかは覚えていない。でも俺たちはそれに賛成した。兄貴なんて居ないと思えば辛くなくなる。兄貴なんか居ない方が楽なんだって
そんな理由で一年生の頃、俺たちは、一方的に兄貴に文句を言って 暫く無視することに決めた

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