【落乱】私のすくーるらいふ。 (ページ44)

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立花さんに連れて来られた教室で、ふうと息を吐いた。
あれからどうやって舞台袖に戻ったのか、正直よく覚えていない。
気づいた時には控え室にいて、立花さんによくやったと褒められていた。
片付け作業は他の人の仕事らしく、立花さんは学芸学部の教室まで私を引っ張った。
そして、少し待ってろと言い残して出て行った。
服もメイクもそのままだ、早く着替えたい。
服は手元にあるけど、勝手に着替えたら怒られそうだな。
大人しく座ってようと椅子を引いた時、教室の扉が開いた。

「・・・A」

立花さんじゃない。

「竹谷、さん」

呼んだのか、わざわざ。

「・・・お疲れ」
「・・・ありがとうございます」

一気に張りつめた空気に、目を伏せた。

「・・・お前だったのか」

呟くように言われた言葉に、心臓が跳ねる。

「・・・あの、さ」
「ごめんなさい！」

何かを言いかけた竹谷さんを遮って、勢いよく頭を下げた。

「え、ちょ、A！？」
「黙ってて、すみませんでした」

顔は見れない、頭は上げられない。

「言い出せなかったんです」

あんなに、期待を込めて探されて。

「私だって知ったら、ショック受けるんじゃないかと思って」

期待を裏切ってしまうと思ったから。

「言わなきゃと思ってたのに、ずるずる先延ばしになっちゃって」

最初に言っておけばよかった。
後悔しても、もう遅かった。

「・・・ごめんなさい」

嫌われても、しょうがない。
それだけのことをしたんだから。
ぐっと下唇を噛んで返事を待っていると、乱暴に両肩を掴まれた。

「A」

無理矢理体を起こされて、真剣な顔をした竹谷さんと向かい合う。