【落乱】私のすくーるらいふ。 (ページ33)

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竹谷さんが、あの私を探していること。
どうやら、あの状態の私に好意を持っているらしいこと。
全て、先輩達に説明した。

「お前、まためんどくさいことに・・・」
「元はと言えば、留兄達が悪いんでしょ」

私を巻き込んだのは、留兄と立花さんだ。
私は何も悪くない、胸を張って言える。

「どうする？仙蔵」
「知らん」

予想通りの返答に、溜息すら出ない。

「丁度いい機会だ、そのままばらしてしまえ」
「いや、それはちょっと・・・」
「騙されると怒るくせに、お前は騙すのか？」

耳が痛い。
立花さんが言うことは尤もだ。
でも、もしあれが私だと竹谷さんが知れば。

「・・・怒り、ますよね」
「可能性は高いな」
「仙蔵」

潮江さんが口を挟むが、立花さんの目は私を捉えて離さない。

「・・・仲良くなったのに、嫌われるのが怖いか？」

留兄の言葉に頷くと、溜息が返ってきた。

「悪いが、俺も仙蔵の意見に賛成だ」
「留三郎？」
「今回に関しては、気づいた時に言わなかったお前が悪い」
「・・・分かってるよ」
「安心しろ、八左ヱ門はそんなことでお前を嫌ったりしないぞ！」

七松さんが笑う。
それも、分かっているつもりだ。
それでも、怖いものは怖い。

「Aちゃん」

　善法寺さんが、私を呼んだ。
　顔を上げると、いつもの柔らかい笑顔で言葉を続ける。

「竹谷がAちゃんに謝った時、きっと今のAちゃんと同じ気持ちだったと思うよ」

相手を騙したという罪悪感、拒絶されるのではないかという恐怖。

「それでも、竹谷は君に直接謝りたいって言ったんだ」

真剣に謝ってくれた竹谷さんを、私は怒る気にならなかった。

「だから、今度はAちゃんが誠意を見せなきゃ」

ね？と善法寺さんが笑みを深めた。
自然に入って来た善法寺さんの言葉に、小さく頷く。

「決まりだな」

立花さんが、ふっと笑った。