笑いあり！涙あり！神山高校！ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,721 hit

幸せ者の昼ページ3

どこかから爆発音が聞こえる昼休み。
普通の人が出くわしたらパニックになるだろうが、これがここでの「普通」だ。
二年の先輩がやってるらしいが、見たことはない。

昼ご飯は一人だ。東雲は、B組の派手な髪をした人と一緒だからだ。
東雲以外、友達が居ないことは無いが、その友達も、大体他の人と食べている。
悲しいことはない。一人の方が気が楽なこともあるからだ。うん。悲しくなんてない。

そう思いつママが作ってくれたお弁当を口に運ぼうとしたその時だった。
ガラガラと、ドアが開いた。

「Aー、居るー？」
瑞希だ。今日は久々に学校に来たのか。
『珍しいね。瑞希が来るなんて。メッセージとかで先に言えばいいのに』
「まぁね。出席日数が足りないってさ」
口をとがらせて言った。

「ねぇねぇ、それよりさ、公民の教科書持ってない？うっかり家に忘れちゃって」
てへぺろ、とでもして瑞希は言った。
『久しぶりの登校なのによくやるねぇ。お生憎さまだけど、こっちは今日、公民持ってきてないよ』
瑞希は、捨てられた子犬のような目でこっちを見てきた。
申し訳ないが、これが現状なのだ。

「え～、無いの～？」
『あ、でもB組は今日、あったっぽいよ。』
我ながら有益な情報を言ったと思う。
「ほんと!?Aありがとう！お昼邪魔しちゃってごめんね。じゃあね」
手を振って行った瑞希に、私も手を振った。

瑞希、前より笑うようになったな。
そう思いつお弁当のお米を頬張る。

爆発音はまだ鳴りやまない。先生の怒鳴り声が聞こえる。
クレイジーな先輩もいるもんだ。

お弁当の唐揚げに手を伸ばす。卵焼き、ブロッコリー、冷凍のごま団子。
今日のお弁当もおいしかった。

誰かの高笑いの声が、中庭から聞こえる。