笑いあり！涙あり！神山高校！ (ページ2)

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幸せ者の朝ページ2

遅刻ギリギリの時間。
三鼓Aは、遅刻ギリギリなのを感じさせない感じで席に着く。
なにせ毎日こんな感じなので、急がなくてもまだギリギリ間に合うと知っているからだ。

『おはよう～』
そう、となりの席の東雲彰人に言うと、
「ああ、三鼓か。おはよう。始業まであと一分くらいだから急げよ」
と言われるくらいは仲良くなった。

これが「仲がいい」なのかは微妙だが、中学校の時みたいな事はないので、「仲がいい」と認識している。
ちなみに、中学校の時虐められていたとかそんなんじゃ無く、気軽に話しかけられるひとが少なかっただけだ。

そんなこんなで、教科書や筆箱ををバッグから出すと、始業のあいずが鳴る。
キーンコーンカーンコーンと誰もが聞いたことあるだろう音と共に、先生が前の扉から入ってくる。
出席確認やら先生のながったるい自分語りとか聞かされたら、本日のメインイベントとも言える、(言いたくはないが)授業が始まる。

一時間目から数学。死んだぞこれ。なんて思っていると、東雲が、
「なあ、宿題見せてくんね？」
なんてバツが悪そうに言った。
『え?忘れたの?』
少し笑い混ざりに言った。
「まあ、端的に言えばそうなる」
そういいながら東雲は頭をかいた。
『無理だけど』
頭の後ろに手を組んだ。

「クッソ、自分でやるしかねえな。間に合うかわかるか？」
私に聞いたらしいが、私にわかるはずがない。
『私に聞くな。そもそも私も宿題やってきてないから分からん。』
東雲は目を見開いて驚いたような顔をした。驚くとわかっていて私は言ったのだから、ちょっとした達成感があった。
「忘れたのに余裕ぶっこいてたのか？」
『私ほどとなると忘れることが美学になるのさ東雲くん！』
そんなバカみたいなこと言って、昨日宿題やろうとしたけど疲れて寝てしまった私の緊張をおさえた。
「おい、さすがに頭大丈夫か心配だわ」
東雲にあきれた顔をされた。

その5分後、宿題を忘れて先生に軽く叱られる者が二人。

東雲には後で、「お前が忘れてこなければ…」と変にキレられた。