慧星に響く歌声は3【オリオンの刻印】 (ページ6)

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シスコンページ6

先程から、小馬鹿にするように話す一星にしのは苛立ちを隠せないのか噛みつくように話す。

充)まぁしのさんに信頼なんてされても嬉しくありませんけど…練習はどうしたんですか?サボり?

しの)んな訳ねーだろ、お前とは違ぇんだから
トイレついでにAちゃんの顔見ようと思ったのに…なーんでかお前がいるからさあ?

ギロリと睨んでくるしのに、一星はふてくされたような冷笑を浮かべながらしのの横を通り過ぎる。

しの)あの子の優しさに漬け込むような真似すんなよ

去っていく一星に、釘を刺すように告げると。

「シスコンも程々にしてくださいね」と言う一星の声が聞こえてきた。

しの)……シスコンで悪かったなあ!メンダコ野郎があッ!!

杏奈)…何してるのよ

一星に向けて大声で言うものの、もう聞こえていないであろう。

代わりにAのご飯を持ってきたマネージャー達に声をかけられた。

しの)いや別に…愛想最悪のメンダコがいたから除草剤撒いてた

つくし)メンダコに除草剤って効くの?

杏奈)いや効きませんよ…しの、何言ってるのよ……

秋)しのちゃん練習は?

しの)あ、やべ……トイレついでに顔見に来たんだけどそろそろ戻んないと

秋に言われて思い出したのか。

しのは足早にグラウンドへと向かう。

そんなしのの後ろ姿を見ながら3人は顔を見合せながら首を傾げたのだった。

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A)…っ……んん…

ずいぶん長く眠った感覚があり体全体が心地よく痺れている。

？)あ、起きた?

すると何者かがAの顔を覗き込む。

A)……?

うつつな、渋い網膜に大きな人影が映り込む。

だが、ぼーっとして焦点が定まらず脳細胞が起きていない状態では誰か判別は出来ない。

？)ははっ、Aちゃんは本当に寝起きが弱いね

聞き馴染みのある優しい声の持ち主はAの頬を優しくツンツンと突く。

A)……しーくん?

士郎)おはよう、眠り姫

やっと名前を呼ばれて満足したのか。

頬を突くのを辞めると柔らかい笑顔がAの視界に映る。

A)…いまなんじ……?

士郎)もう夜の7時だよ

とろんと眠気の残ったような、舌っ足らずな口調で尋ねると士郎は目尻を下げて困ったように笑う。

A)……おきあがれない……

心地よく痺れている身体を起き上がろそうものの上手く起き上がれない。

…いや、起き上がる気がないという方が正しい気もする。