鮫が小魚を食らう ページ37
A)(…悪を成敗……私達も同じ土俵に立ってるのとはまた違うのかな、分からない…)
一方のAはあまり納得いかなかった。
理解出来なかった。
だが、こんな所で騒ぎ立てるのも馬鹿らしいと分かっている為心の内にしまう。
A)(…いい、考えなくていい…皆が賛成してるなら大丈夫……)
変にネガティブの方へと考えてしまう前に早く切り替えようと首を横に振り、気持ちを切り替える。
アナハン)汚いぞ、こんな技を…ッ!
両手をフィールドにつき激痛に耐えながら、アナハンとダストが上体を起こしながら訴える。
そんなアナハンを見ていられなくなり思わず目を細める。
野坂)僕は"戦術の皇帝"…僕の国を攻めてくる敵は誰であろうと叩きのめす
広げた掌を力強く握り締め、野坂は膝をついているアナハンを見下ろしながら告げる。
アナハン)これは公式な世界大会だ!こんな事をしてただで済むと思うなよ!?
しの)お前らがそれ言うなって感じだわ…
アナハン)黙れッ!
思わずしのが突っ込むとアナハンに睨まれる。
しの)うっわあ、言い返せないから黙れって…んなのほぼ認めてるようなもんじゃん!
A)ちょ、ちょっとしの…
アナハンを指差しゲラゲラと笑うしのに辞めるようにAが制する。
アナハン)ッ!!
だが図星なのだろう、アナハンの表情は獣のような怒りがギラギラ光る。
灰崎)お前にしては正論言うじゃねえか
野坂)うん、確かに正論だね
アナハン)くっ…!審判、見てたか!?さっきのプレーは反則だ!
アナハンが審判にそう訴えるが審判はアナハンの抗議を無視して、ボールを抱えながらただフィールドの様子を見ていた。
アナハン)前半と主審が違うッ!?お前、何をした?!
アナハンは目を見開き驚いているが、それはAも同じだった。
野坂)さっきまでの主審の人、不正な事をしていたのがバレたみたいで急遽交代になったらしい
A)(…さっき監督が何か言ってた、アレがそうだったのかな…)
アナハン)き、貴様ぁ…卑怯だぞ!
野坂)卑怯だって?笑わせないでもらいたいね、鮫が小魚を食らうことを卑怯だと呼ぶのなら…そうなんだろうね?
アナハン)くっ…何だと!?
しの)…すっげぇ、何言ってんのか全然分かんねぇ
小声でボソッと呟くしのの言葉に明日人とAは苦笑いを浮かべる。
灰崎)お前達はこいつの怖さを知らないみたいだな?教えてやるよ、こいつはな目的のためなら手段を選ばない冷酷な男だ
野坂)それは聞き捨てならないな、それに知ってるはずだよ?僕は崇高な目的の為に動いている
野坂のその言葉に灰崎がふっと笑い目を伏せる。
野坂)そういえば、君達には言ってなかったね
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
