アルテミスリング ページ34
明日人)危ない!
明日人が叫んだことで、アナハンの存在に気づいた灰崎は何とか攻撃をかわす事が出来た。
灰崎)くっ…そういうことかよ!
しの)はっは〜ん…審判もグルってね
審判を見ながら灰崎がそう言うと、しのもその意図が分かったのか誰にも聞き取れないような低い声を出す。
野坂)大丈夫かい
灰崎)あぁ、致命傷は避けられた
A)本当に大丈夫…?お、おんぶしようか?
灰崎)立てるっつってんだろ!
A)うっ…ご、ごめんなさい……
中々立てない灰崎を気遣ったというのに、灰崎からキッと睨まれひるんでしまう。
…気を遣うにしてももう少し違う方法があったと思うが。
野坂)間一髪ってところだね
灰崎)チッ…行くぞ!
その後もウズベキスタンのラフプレーは一向に止まる気配を見せない。
そのせいか日本メンバーの体力は消耗してきている。
A)(確実に潰しにかかってる…)
野坂)まずいな…
野坂がフィールドを見渡すが、やはり野坂も疲労が近いのか指示を出せずにいる。
そんな中、ダストが日本のゴール前まで攻め上がって来た。
ダスト)あ〜あぁ、あ〜〜〜♪“レクイエムダスト♪”
再び凄まじい威力の必殺技を放ったのだ。
西蔭)させん!“アルテミスリング!”
西蔭は新たな必殺技を炸裂し、がっちりとダストのシュートを止めた。
ダスト)くっ…あんな新技を持っていやがったのか…!
野坂)へぇ、いいじゃない西蔭
西蔭)恐縮です、野坂さん
A)(ずっと頑張ってたもんね…野坂くんに見せれてよかった)
野坂に褒められたからか。
嬉しそうな表情を浮かべる西蔭に思わずAの頬も緩む。
しの)(…アイツ、1番に野坂に見せたいが為に今まで出してなかったとかねぇよな…?)
そんな2人を遠くで見つめながら頬を引きずらせているしのがいた事は誰も知らないであろう…。
西蔭からパスを受け取った野坂が再びドリブルで上がっていく。
岩戸)はぁ、はぁ、はぁ…ゴスぅ…
明日人)ゴーレム、大丈夫か
A)無理しないで…
日本メンバーの中には体力の限界がきている人も多いようだ。
野坂を中心に、Aとしの含めた数名のメンバーがウズベキスタンのゴールへと向かう。
風丸)しかし、ここまで全員連携でダーティーにこられると流石ににまずいな…
野坂)どうやら本性を剥き出しにしてきたみたいですね
灰崎)そのようだな、このチームは全員が組織に染まっているってことか…ぐっ
A)は、灰崎くん大丈夫?やっぱり痛むの…?
突然呻き声を出した灰崎にAがすぐさま反応する。
灰崎)…ああ、大丈夫だ
ヒロト)ここまで汚ねえとむしろ清々しいぜ
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
