終わった後に ページ33
A)…?野坂くん?
野坂)うん?
さも当然かのような顔をする野坂にAはたじろいでしまう。
A)(確かに私からしたけど…杏ちゃんに申し訳ないし離れたいんだけどなぁ…)
風丸)ほら、そろそろ離れろよ
A)わっ…!
そこへ風丸がAに助け舟を、とAの腕を引っ張り自分の方へと引き寄せられるとスッポリと風丸の胸の中に埋まる。
野坂)…そうですね、試合が終わった後にゆっくり…ね
A)う、うん?
意味深に呟く野坂の言葉にAは頭に？を浮かべながら頷く。
風丸)こら、簡単に頷くな
すると風丸におでこを軽く小突かれる。
A)あだッ!ううっ…で、でもハグくらいなら別に
風丸)お前はもっと警戒しろ
呆れたように忠告してくれる風丸にAは「どうして?」と再び首を傾げると、風丸はより呆れる。
しの)(…風丸先輩も気が気じゃないだろなー、Aちゃん距離感バグってるし…でも風丸先輩もちゃっかり抱きついてんの笑えんなぁ)
そんな風丸の気持ちを察して同情しながらも、計算高いなと思うしの。
試合開始早々、ウズベキスタンの選手の方達の動きが大きく変わった。
明日人の背後からクムシェがタックルをし、明日人はフィールドの外へと派手に体を打ち付けてしまう。
明日人)くっ…
A)明日人くん、大丈夫?
そんな明日人の元にAはすぐさま駆けつける。
明日人)あ、あぁ…
すると、今度はこぼれ玉を拾った氷浦に向かってダストが激しいチャージを仕掛ける。
そのままスライディングでわざと転ばせてボールを奪ったのだ。
A)氷浦くん…!
しの)へーき?
近くにいたしのが氷浦を起き上がらせている間に、今度はAがボールを奪おうとディフェンスを仕掛ける。
A)"ザ・ミス
アナハン)おっと
A)っわ!
Aが"ザ・ミスト"を発動させようとした途端、アナハンに後ろから体当たりをされてしまう。
だが、何とか転ばぬようにと持ち堪える事に成功。
クムシェ)ふっ、これならどうだ
A)うわっ!
だがすぐさまクムシュが勢いよくタックルをしてきた為、Aはそのまま体をフィールドに打ち付けるように転倒してしまった。
明日人)A!
風丸)大丈夫か!?
野坂)立てるかい?
A)う、うん…大丈夫だよ
Aは野坂の力を借りながら立ち上がる。
しの)A大丈夫?!アイツらAに怪我させようとするとか信じらんないッ!!
そう言うと同時にAに怪我がないか、隈無く探すしの。
A)もう大袈裟だなあ…大丈夫だよ
そんなしのに呆れながら自分のポジションへと戻る最中、敵選手を横目で見てみる。
…何故か相手は何かを企むように笑っていた。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
