私のエゴ ページ27
西蔭の背が完全に消え去ったのを確認するとAはふぅと小さく息をついた。
A)(野坂くん、今頃どうしてるかな?フットボールフロンティアが終わって以来顔も見てないし連絡も取れてなかったや…)
最後に野坂に会ったのは王帝月ノ宮戦があったあの日以来だ。
病院に入院しているというのは明日人から聞いていてお見舞いに行きたかったが、中々予定が合わず結局会えず終いだった。
A)(私も野坂くんの分まで頑張らないとなぁ、今度こそ野坂くんともちゃんとしたサッカーがしたいし)
それから…一星だ。
A)(…私は一星くんとどうなりたい?皆と仲良くして欲しい、上手くやっていきたい、同じチームの仲間とギスギスして欲しくない)
A)(でもこんなの私のエゴであって本当に一星くんの為になるのかな……一星くんはどうしたいんだろう)
そこまで考えるとAは大きく首を横に振って気持ちを切り替えようとする…と。
灰崎)おい、何してんだよ
A)うわあ!?
後ろから灰崎が声をかけてきたせいで飛び上がるほど驚くA。
そんなAが予想以上に驚いた事に、灰崎が若干引き気味な表情へとなる。
A)び、びび、びっ、びっくりした…っ!
未だにドッドッドッ、と激しく動いている心臓を両手で抑えて大袈裟なリアクションをとる。
灰崎)驚きすぎなんだよ…今暇か?
A)う、うん…暇というか今から練習するつもりだけど
灰崎)じゃあ付き合え、しのがいねーからFWの人数が足りねえんだよ
A)…あれ?しのちゃん帰ってきてないの?
突然の登場により忘れかけていたが、灰崎が居るという事はしのも帰って来ているということだ。
それなのに居ないというのはどういう事だ?、とAは小首を傾げる。
灰崎)収録がどうの言ってた
その言葉にAは「あ〜…」と納得の声を漏らす。
A)……そっか、今日はポジションごとに別れてるんだっけ
確かにしのは不在で豪炎寺も入院中の為、FWは3人しかいない。
だが、DFもAを合わせて6人しかいない為Aが抜けたらDFも困るのだ。
A)ごめんね?DFも奇数になっちゃうからまた今度
灰崎)行くぞ
A)ちょ、ちょっと!?
Aが断る前に、灰崎が強引にAの腕を引っ張りFWメンバーがいる方へと歩かされる。
A)(…なんか最近引っ張られてばっかりだな)
こうなればもう何を言っても無駄だと悟ったAは、大人しくFWメンバーと練習するかと腹を括ったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
