相当やばい？ ページ26
A)ご、ごめんね…沢山迷惑掛けちゃって…それからありがとう、わざわざ来てくれて
西蔭)野坂さんと鬼道さんからの命令です、無下には出来ません
…それに、俺自身も貴方の事が心配ではあったので
A)えっ
西蔭)警戒心が欠けている節がありますから、そんな貴方がいつ狙われてもおかしくないと知れば…流石に放っておく訳にはいきませんので
A)…………
西蔭の棘のある言葉にAは思わず固まってしまう。
A)(野坂くんに一筋なあの西蔭くんにまで心配かけてるだなんて…私って相当やばいのかな……でも)
A)ありがとう、西蔭くん
西蔭)…腕が赤くなってますね、大丈夫ですか…仕事の面に関しても
先程、一星に掴まれた腕が目に止まったのか。
西蔭は尋ねてくる。
A)あ、うん…このくらいならすぐ消えるし、ここならアームカバーで隠れるから平気だよ
「だから大丈夫」と告げると心做しか、西蔭の表情が安心したような表情に変わった気がした。
A)あっ、でもこれからは私もちゃんと気をつけるからね、誰かに心配かけてばかりじゃ駄目だし…
西蔭)はい、期待はしていませんが
再び西蔭からの棘のある言葉にAは「うぐっ…!」と情けない声が出てしまう。
A)(…何気に西蔭くんとこんなに喋るだなんて、初めてな気がする)
A)…時間取らせちゃってごめんね、練習の途中じゃなかった…かな?
西蔭)はい、次の試合は俺も出ますからそれに向けての特訓中でした
A)そう…ごめんね…?そんな大事な時に…
西蔭)謝ることはありません、これから俺はまた特訓に戻りますが…Aさんはどうしますか?
なるべく1人にはならない方が良いと思いますが…
A)私も練習に行くよ
西蔭)そうですか、他の奴らがいる所でなら安心でしょう
A)…良かったら西蔭くんも向こうで特訓しない?皆も居るし誰かと一緒に、とか…
西蔭)…いえ、今回は遠慮しておきます
A)そう…?
西蔭)はい、今は…1人でやりたいんです
野坂に成長した姿を見せられるように野坂の分まで頑張りたい…そんな想いが西蔭から伝わってきた。
A)…そっか、じゃあ合同特訓はまた今度だね
西蔭)そうですね、それでは
A)うん、本当にありがとう
そう言うと西蔭は練習に戻ろうと歩き始めた。
A)…あっ、西蔭くん!こんな時に言うのもなんだけど、西蔭くんと沢山話せて嬉しかったよ!
既に戻っていく西蔭に聞こえているか否かは分からないが、自分の気持ちを伝えられてAは満足そうだ。
西蔭)……野坂さんが気に掛ける理由、少しは分かるな
そう呟く西蔭をAは知る由もない…。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
