疑心暗鬼 ページ22
A)……っくしゅ!…うぅ、まだ病み上がりだからかな…
風邪要素が抜け切れていないのか、と心配するA。
…恐らくあの3人組の噂話のせいだろう。
A)昨日は1日寝てばっかりだったから体が訛ってるなぁ…
風丸と別れた後、そのままランニングをしようと一走りする。
しのは灰崎とヒロトと不動との4人でお使いに行っている為、今は完全に1人なのだ。
A)(昨日は大変だったなぁ…色んな人に心配掛けちゃったし、体調管理気をつけないと)
A)(…それにしても円堂くんが捕まるだなんて…皆は組織がどうたら言ってた、とか一星くんがハメたんだ、とか言ってたらしいけど…)
A)…ん?
ランニングをしながら悶々と考えていると、湖畔に一星が1人でいるのを発見。
A)(…声掛けてもいいのかな、しのちゃんからは迂闊に近付くなって言われたしなぁ)
どうしようかと悩んだ末に話し掛けるのは今度にしようと踵を返そうとした…その時。
【バキッ】
充)!
A)！?
…何か踏んでしまったようだ。
ゆっくりと視線を下に動かし足を退けてみると、真っ二つに折れた小枝が…。
A)(…やっちゃったぁ…)
充)…先輩?
もちろん、この音を一星が聴き逃している筈もなく案の定バレてしまう。
A)…えへへ、おはよう一星くん
表情的には微笑んでいても笑い声はほとんど立てない。
そんなAの表情を察したのか一星がムッと不機嫌そうな顔になる。
充)何ですか、妙によそよそしいですね
あの可愛らしかった一星のAへの態度もすっかり変わったようだ。
…他の者との対応を比べるとまだまだ可愛い方ではあるのだが。
充)…そんな所に突っ立ってないで隣、座ればいいじゃないですか
A)う、うん…失礼、します…
少し躊躇いながらもAは横にちょこん、と座ることに。
だが、座ったら座ったで何を話していいのか分からず変な汗をかきまくる。
充)…らしくないですね、黙り込んじゃって
A)そ、そうかな…?
充)…先輩も聞きましたか?円堂さんが捕まったって
A)あ、うん…昨日起きた時に……
充)俺を疑ってます?俺が円堂さんを陥れたんだろって
A)えっい、いや?!…えーえぇっと……
正直、Aは何と答えたらいいのか分からない。
A)(…私は一星くんも信じたいけど、現状がこうなってる以上疑心暗鬼になっちゃう…)
A)…そう見えたなら…ごめんね……
Aはどうとも言えずただ謝る事しか出来ない。
A)…あ!そ、そうだ!昨日部屋に来てくれてたよね!
ハッと思い出したかのようにAは昨日、一星が部屋に来てくれた事を話し出す。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
