朝食 ページ16
その翌日。
明日人)A、もう元気になってるかな
剛陣)昨日はぶっ倒れたもんなあ
岩戸)心配でゴス…
氷浦)吹雪さんからは元気だったって聞いたぞ
万作)なんで吹雪さんが知ってるんだ?
氷浦)え?昨日、お見舞いに行ったからって…
明日人)氷浦は一緒に行かなかったの?
「吹雪さんとは同室なんだし」という明日人の言葉に思わず氷浦は固まってしまう。
剛陣)はっは〜ん…さては好きな女子の部屋だから入れなかったんだろ!
氷浦は何故バレたんだ、と肩を揺らしてしまい一同も意地の悪そうな顔つきへと変わる。
万作)まぁ、相手はAだもんな
剛陣)でも分かるぜ…女子の部屋は男のロマンだからな!
氷浦)っ…もう勘弁して下さい…
よほど堪えたのか。
顔を真っ赤にさせる氷浦を見て一同は満足気に微笑む。
岩戸)でもAの部屋、気になるでゴス…
万作)確かに、やっぱり女子なだけあって可愛い感じなのか…?
剛陣)いや、ああいうのに限って部屋汚かったりすんじゃねぇのかッ!?
明日人)いやいや…剛陣先輩がそんな事言えませんよ…
そんなこんなを話していればいつの間にか食堂へと辿り着いた新雷門メンバー。
扉を開けてまず目に入ったのは…。
明日人)…あ!A!!
A)んぐっ?!
もぐもぐ、と料理を頬張っていると明日人の大声に驚いたのか料理が喉に詰まってしまった。
しの)おーおっ、ほいお茶
ゴホゴホと噎せていると気の利かしたしのがお茶を差し出してくれた。
そのお茶が受け取り、詰まらせた料理を流し込むと深いため息をつく。
明日人)ご、ごめん
A)ううん、大丈夫!
申し訳なさそうに謝ってくる明日人に気にしないで、と言いながら再び料理を頬張るA。
氷浦)もう大丈夫なのか?
A)うん!体調バッチリだよ
にこにこと微笑むAの姿に新雷門メンバーも安心したかのように笑い返す。
万作)それにしても相変わらず凄い量だな…
バイキング制の朝食スタイル。
Aは体調もすっかり良くなったのでいつも通り多めの量を取ってきたのだ。
剛陣)お前、よく太らないよな…
しの)剛陣パイセン、あの人食べても太らないから平気なんだよ…
黙々と食べ続けるAを頭からつま先までジロジロと見続ける剛陣に、恨めしそうにAの方を見ながらしのがそう呟く。
岩戸)流石トップアイドルでゴス…!
万作)トップアイドルは関係ないだろ…
新雷門メンバーもそれぞれ自分の朝食を取り、A達と同じ席につく。
何気ない会話に花を咲かせ朝食を済ませる。
すると。
【ガシャンッ】
…何かが落ちて割れたような破砕音が食堂に響いた。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
