図星 ページ14
一方、談話室にて。
タツヤ)…ヒロト
ヒロト)あ?
タツヤ)そろそろ機嫌直せよ
ヒロト)うるっせぇな、別に機嫌悪くねぇよ
口ではそう言うものの、ヒロトの機嫌が悪いなど態度で丸分かりだ。
どうしたものかとタツヤが困り悩んでいると。
ヒロト)お前、あいつの部屋で何してたんだよ
ヒロトが鋭い目つきでタツヤを見つめてくる。
やはりAの部屋にいたという事が気に食わないようだ。
タツヤ)…別に話してただけだよ、風丸さんと一緒にAの様子を伺いに行こうって話になって
ヒロト)じゃあなんで部屋にはお前とあの2人だけだったんだよ?
「何もなかった」と言おうとするものの鋭い質問をされてしまう…。
タツヤ)…しのに呼び止められたんだよ、吹雪さんも来てて風丸さんと3人で部屋に戻ろうとした時に
ヒロト)わざわざアイツの部屋でか?
タツヤ)俺だってそう言ったけどしのが移動が面倒だって言うから…
苛つくヒロトを宥めようと言葉を選びながら、必死に弁解するがどう言ってもヒロトの機嫌は収まらないように見える。
砂木沼)何を揉めているんだ?
そこに騒いでいる2人の状態を察したのか、砂木沼が介入して来たのだ。
タツヤ)砂木沼か、いや…
ヒロト)別に何でもねぇよ
タツヤが口にしようか迷っていると遮るようにヒロトが声を被せる。
砂木沼)お前達が騒ぐとは珍しいな、大方Aやしのの事だろう
ヒロト)んばっ?!んなのじゃねぇよ!!
2人の名前…主にAの名が出てあからさまに動揺するヒロトにタツヤは呆れを通り越している。
砂木沼)なんだ、違うのか
ヒロト)当たり前だろ!なんであの自己防衛皆無と女子力皆無が出てくんだよ
図星を突かれたせいか、先程よりもイラついた様子を見せる。
砂木沼)お前、Aが好きなんじゃないのか?
ヒロト)…はあっ!?ふざけんなッ!誰があんな女好きになるか!!
突然の砂木沼の言葉に椅子から飛び退いてしまう程、動揺してしまうヒロト。
必死に弁解するもののそんなもの全く効くはずもなく、タツヤは何かを察したようにニヤリと笑った。
タツヤ)…その反応を見るとA自体に好意を持っているみたいだな
ヒロト)ああ!?何でそうなるんだよ!
砂木沼)顔が真っ赤だぞ
ヒロト)あ…暑いだけだ!
やはり図星なのだろう。
ヒロトは慌てて口元を手で隠し顔を逸らした。
それでも耳まで真っ赤なのは隠せていないが…。
タツヤ)…でもそうじゃないかとは思ってた、Aが代表に選ばれた時も嬉しそうだったもんな
何故Aの部屋にいたのかという話題を変えようと、タツヤも砂木沼の話に乗っかる。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
