中身は小4 ページ11
士郎)…さっき僕がAちゃんに抱きついてイラついてよね?
風丸)!
図星だったのだろう、持っていた飲み物を落としそうになる風丸を見て士郎はクスリと笑う。
士郎)この前の買い物で風丸君がAちゃんをおぶった時、僕も今の風丸君と同じ気持ちだったんだよ
「ここまで言えば僕の気持ちも分かるよね」と綺麗な笑みを浮かべる士郎に、風丸は思わず引きずった笑みを浮かべる。
風丸)……お前もとなると中々手強いな…
士郎)あはは、それは僕だってそうだよ
「お互い頑張ろう」と自分の飲み物を差し出す士郎。
風丸も乾いた笑みを零しながら自分の飲み物を近づけさせるとカンッ、と気持ちのいい音が鳴る。
士郎)(だからと言って譲る気もないけどね)
果たして、2人の気持ちにAは気づくことが出来るのだろうか…。
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タツヤ)それで話したいって何の事なんだ?
場面はAの部屋へと戻り、タツヤがしのに尋ねるとしのが「あー」と口を開く。
しの)別に?なーんもない
タツヤ)…は?
思わず気の抜けた声が出てしまうタツヤ。
しの)いや久しぶりにお日さま園組で話したいなーて、おにぃも入れば最高なんだけどね!
しの)てか、タツヤってヒロトとベッタリで中々話せないじゃん?
ヒロトの名を出すと当時に「うげー」と舌を出して露骨に嫌な表情を浮かべるしのに、Aは眉を下げる。
A)しのちゃん、ヒロトくんと仲悪いもんね
しの)だってアイツガキじゃん!中身小4のまんまだって!!
「いやだわー」と顔を顰めるしのにAは思わず笑いが零れてしまう。
タツヤ)…でもしのにも非があるぞ?アイツが素直になれないのも問題だけど
A)うん、どっちもどっちだよ
2人に正論を言われ「ウグッ!」と情けない声を漏らすがそんな2人に負けずと言い返すしの。
しの)で、でもでも!何かと突っかかってくんのはアッチじゃんか!
A)それだと灰崎くんもじゃ…?
Aが突っかかっ来る人と言えばパッと思い付く2人組に首をすくめる。
しの)あー…灰崎は去年までランドセル背負ってたじゃん?だからまだ小学生要素が抜ききれてねーんだよ
「ハッ!」と鼻で笑うしのの言葉にAはつい想像してしまう。
ランドセルを背負っている灰崎の姿を…。
A)…ふっ
しの)あぁーっ!笑った笑った!!
我慢していたもののつい笑いが零れてしまう。
A)だっ、だってしのちゃんが変な事言う、から…ふふっ
タツヤ)…A失礼だぞ
しの)そういうタツヤも笑ってんじゃん
しのが言うようにタツヤの口角がピクピクと上がっているのは事実だ。
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
