暗闇 ※ ページ2
A)ぁ……皆ここにいたんだあ…
その時、Aがその輪へと入ってくる。
その声はいつもより掠れており、マスクから覗く顔も真っ赤だ。
監督)おやAちゃん、やっとお目覚めですか〜?
杏奈)…顔真っ赤ですよ?大丈夫ですか?
A)いやぁ、熱出ちゃ……っくし!!……ごめんなさい…
明日人)えぇ!?だ、大丈夫なのか?
A)あはは……試合までには治すつ、もり…
次々と心配してくる皆の声に答えるものの段々ふらついてくるA。
A)(あ、だめだこれ)
そう思うと同時にバタッ、と派手な音を立て床に倒れてしまう。
体を起こそうとするものの上手く力が入らない。
杏奈)Aさん!?
しの)Aちゃん!?だ、だ、だっ!?死ぬッ?!
風丸)勝手に殺してやるな!A、しっかりしろ!
そう騒ぐ声を最後にAは深い眠りへと落ちていく。
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Aside
A)…ここ、どこ?…真っ暗…
Aは辺りを見渡すが何も見えない程に暗く怖気付いてしまう。
…何だか不気味で嫌だな…怖い
A)……光?
しばらくウロついていると眩しい明かりらしきものを見つける。
A)やっとこの暗闇から出れる…!
一刻もこの場を逃げ出したいAは光のある場へと走る。
A)っ!?
だが、何者かに腕を掴まれ動けなくなる。
？)A…どこ行くんだ…
腕を掴む人物の声を聞く刹那、ゾッと背中に冷や汗が伝う。
A)…っぁ……ぁ……あぁぁ……
今にも泣き出しそうな、遠い星の瞬きのような寂しげに声が震える。
…振り向けない、振り向いたらだめ…だめ、だめ…っ!
Aはその人物に視線を移すことなく自分の足元へと目を落とす。
すると、目にいっぱいの涙が溢れ出し地面を濡らす。
？)頼む…俺を1人にしないでくれ……お前にまで嫌われたら俺は……っ
その人物はAに縋るように啼泣し、背後から抱きついて細くしなやかな腹部をすり寄せ、耳もとで露骨な言葉を囁く。
A)っ!?
？)Aは本当に、本っ当に可愛いね……
無理矢理Aを正面へと向かせたその時、その人物の顔が目に映る。
まるで花を愛でるかのように、Aの小さな顔をその大きな手で包み込む。
…気持ち悪い気持ち悪いっ怖い怖い怖い怖い怖い怖い
A)ぁ……っ…いっ……ぃや………いや……
A)いやぁぁああッ!!
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作者名：39 | 作成日時：2023年5月20日 1時
