主様の召し使い[WT] (ページ3)

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3、満月の夜の下ページ3

どのくらい走っただろうか

もう屋敷は見えなくなっている

そろそろ息が上がってくる

『…っはあ…休憩…』

いつも室内にいたせいで体力がすぐ無くなる

勢い任せに走ってきたから、持ってきたのはひとつ

光のあたりぐあいによって6色に光る石のついたネックレス

これだけは置いていくことができなかった

初めてもらった、プレゼントだから

『これからどうしよう…』

近くの木に寄りかかり、息を整える

すると、目の前の草むらからがさりと音がした

『……え』

なんだろう。すごく怖い

音のするほうを見ると、こっちに歩いてくる人影が

ﾓﾌﾞ1「おいおい!こんなとこにインルガ国の姫がいるじゃねえか」

ﾓﾌﾞ2「運がいいなあ!捕まえて売れば大金が手にはいるぜ」

そんなことを言いながら出てきたのは大柄な男二人

『一日目で死んじゃう…』

誰か…

私は目をつぶりネックレスを握りしめた

すると、目の前の男が急に叫び声をあげた

??「ネックレスなかったら死んでたかもね主様～」

目を恐る恐る開けると、目の前に六人の影があった

na「危なっかしいですね、主様は。」

br「今のかっこよくなかったー?主様～」

shk「なにも持たないで出ていくんですから。主様は」

kn「少しは警戒してほしいなぁ。主様」

sm「お怪我はございませんか。主様」

kr「無事でよかったよ。主様」

なんで

なんで、みんなが

na「我等は主様の執事。主様のそばにいることが我等の使命です」

なかむが膝をつき頭を下げる

それにあわせてみんなも頭を下げる

嬉しいな…

こんな私をまだ主と呼んでくれることに、目頭が熱くなる

『また、よろしくね…』

涙をぬぐいながらみんなにいう

でも、これからは守られる主と執事ではなく

一緒に旅する仲間として

もう、守られるだけの人生はおしまいにしよう