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シ「ふあぁぁ……」
大きな欠伸が出た。
仮眠しかしていないのだから、当たり前だろうな。
「うぅん……」
シ「！」
天使もむくりと起き上がった。
否、鎖で太い鉄柱に縛り付けられているのだから、顔を上げた、の方が正しいか。
「此処は、何処だ……？ 貴女は？」
天使の、私には痛い程に綺麗な青い瞳が私を見つめる。
眉間に皺を寄せながら、冷ややかに答える。
シ「シン。此処は冥府の牢獄。アンタは捕えられてんだよ」
「そ、そんな！ ていうか、月桂樹が無い！ パルテナ様！ パルテナ様!!」
あぁ……煩い。
ずっと眠っていれば楽だったのに。
シ「静かにしろよ」
睨みを効かせて言ったが、どうやら怖気付かなかったようだ。
そりゃあそうか、冥府の魔物を沢山殺してきたような奴だもんな。
「くそっ、此処から出せ！」
シ「私はアンタの看守。出す訳にはいかないな」
「畜生、神器も無いから、戦えもしない……！」
それからしばらく、天使はずっと暴れていた。
昼になって、ようやく落ち着いたようだ。
おそらくコイツは、利用された挙句、最終的には殺されるのだろう。
暇潰し道具の持ち主として、名前くらい聞いてやるか。
シ「……お前、名前は？」
「ボクはピット。パルテナ軍親衛隊の隊長」
パルテナ軍……。
メデューサ様を醜い姿に変えた挙句、冥府軍を倒そうとしている軍だと、お祖母様が言っていた。
なるほど、捕らえる訳だな。
ピ「君は冥府軍でしょ？」
シ「あぁ」
ピ「いつから？」
シ「さぁ……物心ついた時には、此処で仕事をしていた」
ピ「へぇ」
囚人ではあるが、どうもその天使の問いを無視する事ができなかった。
本当に、何故だか分からない。
……その後も、他愛ない話は続いた。
使ってる武器や、服装の話。
あと、「この牢獄はジメジメしてる」だとか、そんな。
……凄く、不思議な感情。
この気持ちが、「楽しい」っていう感情か？
初めての体験。
状況にはとても似合わないが、初めての「友達」とでも言えそうな天使。
……この時間が、ずっと続けばいいな。
そう、無意識の内に、思ってしまっていた。
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降魔(プロフ) - お気に入り登録、有難う御座います!! (2020年11月28日 12時) (
レス) id: 0646a3f0ae (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - ランさん» 有難う御座いますぅうﾞ!! (2019年12月27日 6時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
ラン - めっちゃ面白かったです！やっぱりぼくブラックピット大好きです。これからも頑張ってください！ (2019年12月26日 21時) (レス) id: 8a2d54dc6e (このIDを非表示/違反報告)
降魔(プロフ) - suwaroさん» 有難う御座いまs……あっ!! 『占ツクｲﾔｯﾎｩ委員会』所属してるから敬語無し！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 6d6843d9f1 (このIDを非表示/違反報告)
suwaro - そんな過去があったのか…あ、面白いです！頑張って下さい！ (2019年11月15日 17時) (レス) id: 1a4b63d778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：降魔 | 作成日時：2019年8月14日 9時
