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「あ、なぁお前!ここどこか分かるか?」





そう話しかけてきた金髪の短ランを前に溜息をついた。







.









あのじじいが何日か家を空けると言ってどこかへ出掛けた後。



マジでじじいにそっくりな男子見つけたんだけど。


…山奥で。



とりあえずじじいに連絡しようと思ったけど。




『あいつケータイ忘れやがった…』




いやどこ行ったんだよマジで。

帰っておいで!!早く!!可愛い孫が困ってるよ!!


だなんて遠い目をしても帰ってくるわけなく。


目の前の男子に目を向ける。




「ここどこだ…」



キョロキョロとあたりを見渡す男子。

親とはぐれたのだろうか、なんとも言えない顔をしていた。


じじいの家の裏にある山を一つ越えた先には小さな街が広がっていて伊藤のじいちゃんとじじいが学生時代に掘り起こした温泉を名所とする旅館がある。

二人ともオーナーだったがもう隠居してる。

ちなみに評判は悪くない。


もしかしたら湯上りの散歩とかで迷子になって山を越えたのかもしれない。




『…じじいの遺言でさ、金髪の男子は助けないといけないの』



嘘です死んでないけどイラついてるしソーユー事にしておこう、ウン。



「お、じゃぁ助けてくれんのか!!」



真夜中だしあの無駄に広い家に1人も寂しいし。


無駄に理由をつけたけど。




「今日の12時に山奥入ってくれヨ」



そう頼んだじいちゃんはこいつが来るのを知ってたのか。

疑問しか出ない。





『…1日泊めてやっから家帰れヨ』



「サンキュー!気づいたらあそこに居て困ってたんだ」



『…名前は』



「…石橋」



どこかで聞いた名前だと思った。



『A、そこの家に今は住んでる。一晩よろしく』

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作者名:たこ焼きアイス | 作成日時:2019年5月4日 19時

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