再会 ページ18
Aの事を思い出す。
彼女は昔、誰より正直で、真っ直ぐで、歪みを許さない、気高い少女だった。
唯一人だけ、僕を理解して寄り添って呉れたのが彼女だった。
けれど、如何してもAを嫌いに成るしか無い様な、そんな出来事が昔あった。だから僕は、彼女に別れを告げて、二度と話さなかった。
そんな彼女との7年越しの再会に、僕は言葉も出ない、否、何かを云う資格なんて元からない。
「・・・太宰さん、彼女に救急車を呼んで、付き添って差し上げて下さい。僕は社に戻るので＿＿」
云いかけると、「否、Aちゃんは与謝野女医に診て貰おう」と否定された。
「え?ですが・・・」
「こめかみを切って居るから、其の外傷と一緒に診て貰えば善い。普通の医者より、与謝野女医の方が安心感があるしね」
解体癖は困ったものだけどね、と太宰さんは付け足す。貴方の自 殺癖も大概です、と心の中のみで突っ込んだ。
・・・とはいえ、太宰さんの云う通りだ。太宰さんは何時も論理的で正しい。僕は何時も感情的で間違って居る。
「んじゃ、君がAちゃんを背負って行き給え。私ビショビショだし」
「其れは僕も同じです！」
流石に納得が行かず云い返すと、太宰さんは微笑した。
「敦君。人間関係の
何時も見せない寂しげな雰囲気に、僕は少し驚いて、でもだからこそ彼の言葉に真実味を感じた。
「・・・はい」
僕は彼女の躰を持ち上げた。随分細い腕に一寸驚いたけど、流石に昔に比べれば大分重く成って居た。
其の儘Aをおぶる。背中には当たり前に命一個分の重さがあって、久しぶりに感じた彼女の体温は、入水に巻き込まれたせいか酷く冷えきって居た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
【5/3募集開始】居場所をなくした者らが集う先【募集企画】
【bnst】特一級危険異能力者な少女の憂鬱 2
太宰さんの妹さんが、雄英高校でヒーロー達を護衛するような話
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆天香☆ - 蟹江さん» ええええええっ！?(歓喜)蟹江様の作品大好きでいつもいつも笑わせて頂いて居るので、まさかそんな蟹江様が僕の小説を読んで下さるとは思わず、超嬉しいです！語彙力の塊ってそれは貴方様では・・・！?本当に嬉しいです、有難う御座います！更新頑張ります！ (2019年11月3日 11時) (
レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 貴方様の小説が読みたくて、探してみました(気持ち悪いことして本当にすみません)文才？って云うんですかね語彙力の塊ですね…!？他では見ないような素敵な作品だと思います！更新頑張ってください！ (2019年11月2日 20時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - アイさん» こんにちは、コメント有難う御座います！ある意味で思い切りとノリのいい夢主ですよねw万人受けするものを面白く書けない質ですので、新鮮で面白いと言って頂き光栄です！更新頑張ります！ (2019年10月20日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - どうもー、天香さんの参加しているイベントの主催者のアイです！まさか、夢主ちゃんが本当に太宰と心中してしまうなんて･･･驚きです！あまりこのような作品は見ないので、新鮮でしたが、とても面白かったです！これからも頑張って！ (2019年10月20日 17時) (レス) id: 2d5f8eb3ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：☆天香☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時：2019年10月3日 14時
