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Xデー ページ16

其の日から月曜日迄、私は一切眠らなかった。




ほんの気休めでも、其れで君の事を思い出さずに居られるなら好都合だ。




私は眠らない夜には決まって散歩をしたが、幸か不幸か、初日に芥川様と会って以来、知人には誰一人として会わなかった。




そして私は、若干の眠気と共に、運命の月曜日を迎える事と成ったのだった。




*****




朝御飯を食べ終わって直ぐ、呼び鈴が鳴った。




何時もの様に合鍵を使って入れば善いのに、と思いながら、『はい』と返事をして出る。




案の定、扉の前に居たのは、砂色の長外套を身に付けた青年だった。




「Aちゃん、もう出れるかい?」




『何故あなたはこういう時だけ準備が早いんです?』




仕事でご一緒した時は何時も集合時間の1時間後とかに来たのに・・・




「今日は例外だからね。其れで、出られそうかな?」




『まあ私も特に準備とか無いから大丈夫ですけど・・・』




そう云うと、太宰さんは「ならば行こうか!」と何時に無く覇気の有る表情で私の手を引いた。




此れからしようとして居る事と対照的な程に、青春の一頁の様な其の仕草に、皮肉の様な物を感じて少し笑った。




『・・・では、行きましょうか』



*****



私達は、此の間私が石を投げ込んだ河で、死ぬ事にした。




「せーの、で入る?」




其の子供みたいな声の掛け方が可笑しくて、『善いですね』と私も一寸乗っかった。




微風も吹かぬので、河は静かに凪いでいる。




あなたの瞳も、其の水面の様に一切の濁りも揺れも無い。




「其れじゃあ行こうか(逝こうか)




太宰さんは私を抱き締めた。




「せーの」




私達は体を倒した。




何かが破裂するのに近い音がして、そして体の芯が徐々に冷えて行くのが判り、私は心地好い暗闇に身を委ねた。

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☆天香☆ - 蟹江さん» ええええええっ!?(歓喜)蟹江様の作品大好きでいつもいつも笑わせて頂いて居るので、まさかそんな蟹江様が僕の小説を読んで下さるとは思わず、超嬉しいです!語彙力の塊ってそれは貴方様では・・・!?本当に嬉しいです、有難う御座います!更新頑張ります! (2019年11月3日 11時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 貴方様の小説が読みたくて、探してみました(気持ち悪いことして本当にすみません)文才?って云うんですかね語彙力の塊ですね…!?他では見ないような素敵な作品だと思います!更新頑張ってください! (2019年11月2日 20時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - アイさん» こんにちは、コメント有難う御座います!ある意味で思い切りとノリのいい夢主ですよねw万人受けするものを面白く書けない質ですので、新鮮で面白いと言って頂き光栄です!更新頑張ります! (2019年10月20日 20時) (レス) id: a8fcda6e2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - どうもー、天香さんの参加しているイベントの主催者のアイです!まさか、夢主ちゃんが本当に太宰と心中してしまうなんて・・・驚きです!あまりこのような作品は見ないので、新鮮でしたが、とても面白かったです!これからも頑張って! (2019年10月20日 17時) (レス) id: 2d5f8eb3ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/  
作成日時:2019年10月3日 14時

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