手の届かない君だけど…。4 *A.Daiki*

114♯ ページ27

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『それってどういうこと…？』




そう聞いた私にそのまんまだよって答えた大ちゃん。


でもそのまんまって何？


私、君の気持ちなんて一回も聞いたことないから分かんないよ。









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「そのまんまって言っても分かんないよな。

なぁA？俺が今から言うこと、ちゃんと聞いてて。」





そう言って大ちゃんは天井を見上げたままゆっくりと話し始めた。









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「俺さ、Aのことはずっと友達だと思ってたんだ。最初に会ってからすごい長い時間一緒にいてさ、ほんとに楽しかった。








でも、俺オーディション受かっちゃって。

もちろん受かったのはすげー嬉しかったよ？
夢が叶ったんだし。



それでもいざ転校するってなった時に、俺気づいたんだ。









俺ね、Aのこと大好きだった。








そっから本気で悩んで。

Aと離れたくないって何度も何度も思ったけど、やっぱり夢を諦められなかった。








その時、俺ほんとはAの気持ちにちょっと気づいてて、でもそれには答えられないから……

だから彼女いるなんて噂流したんだ、自分で。



ほんとに最低だよな。」







大ちゃんはここで一息ついた。



『じゃああの噂って嘘だったの…？』




うん…って答えた君に、私はなんて答えたらいいか分からなかった。

そもそも大ちゃんが私のことを好きだったことにもびっくりしてる。









「そこまでしたのにあの最後の日、俺Aのことほっとけなかった。



そこでAに好きって言われてさ、俺嬉しかったよ。でもそこで答えちゃいけなかったから…あんな態度しかとれなかった。



ほんとにごめん。









でもそっから俺ほんとに頑張って、

Aをおいてってこの道に進んだんだから、どんなに辛くても諦めるなって…。



それが実ってデビューもできて、
いのちゃんとか山田とか、今のほんとに仲良いメンバーにも出逢えた。







でもさ？

やっぱり俺無理だったんだ。」









そこまで言うと大ちゃんは私の方を向いて、ちょっとだけ寂しそうな、ちょっとだけ悲しそうな、なんて言ったらいいか分かんないようにほほえんでこう言った。









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「俺、この数年間、Aなしで心から本気でなんて笑えなかったんだ。」

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