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8:壬生の浪士組 ページ9
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「へぇ、土方さんの方が上ねぇ…まぁ、いいんじゃない？」
縁側に腰掛けて座っていた一人の男は少し拗ねたような口ぶりで書類の整理をしている黒髪の男の背にそう、声をかけた。
「じゃぁ、何だ、総司。てめぇがこの書類の片付けをしてくれるっていうのか？」
黒髪の男は長い髪を揺らしながら、『総司』と呼んだ男に紙の束を押し付ける。
御所お預かりの浪士組として上に提出しなければいけない書類が一気に流れ込んできたのだ。
それを処理するのはあの若者…
土方 歳三である。
「いやだなぁ、土方さん。僕は、やりたいなんて一言も言ってないじゃないですか」
そして、この男は天才剣士として広く知られる沖田総司。
彼と土方は江戸からの付き合いで同じ道場で剣術を学んできた。
身体があまり強くなく、彼が慕っている後の新選組局長・近藤 勇や姉のミツは総司が京に上ることに反対していた。
それでも、
「近藤さんを支えて、護っていくのが僕の役目でィ。」
自信しかない、餓鬼の笑顔を浮かべた総司をみてとめられるものはいなかった。
兎にも角にも、江戸の道場で知り合った仲間達と共に近藤派の彼等は浪士組に入隊したのである。
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作者名：？？ x他1人 | 作成日時：2014年4月22日 17時
