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22:羅刹 ページ21
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「くそ……逃げ足の速い奴等め……！」
歳三は息を切らしながら屯所の表通りを走り回っていた。
短髪の浪士は、確かに羅刹と言っていた。
羅刹の存在を知っているのは浪士組の幹部と、幕府の一部の人間だ。
歳三はこの時すでに偶然、知っていたのだが。
何故、一介の浪士が知っているのだろうか。
疑問は消えない。
しかし、今は考えることより二人を見つけ出す方が先決だ。
「山崎でも使えばよかったか……」
後悔の念に苛まれながら歳三は暗い夜道を駆けて行った。
「本当にお前、性格悪いなぁ…」
そんな歳三を見つめていた一つの影が鼻で笑いながら言う。
「褒め言葉として受け取っておくよ。」
もう一つの影が自嘲気味にそう言い、乾いた笑みを浮かべた。
そして二つの影は闇夜に溶けて行く。
「羅刹を全滅させる。」
そう言葉を残して………。
＊
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作者名：？？ x他1人 | 作成日時：2014年4月22日 17時
