時の世界樹～勿忘草の花言葉～ (ページ14)

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15:斎藤一ページ14

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「言ってる意味、分かんないわけェ？近藤と土方を出せって言ってんの。喧嘩しに来たんじゃねェの。」

長い銀色の髪を高い位置で結い上げた男はへらへらとした笑みを浮かべながら、近くにいた隊士の肩に馴れ馴れしく腕を回してそう言った。

「やめないか、阿呆。完全にセクハラだぞ、お前。」

青に近い紺色の短髪の方が銀髪の男を冷たく見据えて言う。

隊士達は、独特の話し方や聞いたことのない片仮名の言葉にますます警戒心を強めていた。

しかし、それに気づいていないのか二人の浪士は相変わらず平然としていた。

「まぁ、構わない。出てこないなら強行突破。それだけ。」

そして、短髪の浪士は木刀を構える。

数人の隊士が直ぐに応戦しようと駆け出した。

しかし、

「戻れ、平隊士のお前達の敵う相手ではない」

誰かが発したその一言で、殺気を漲らせた隊士達は渋々、刀を下ろしてもとの位置に戻る。

二人の浪士は顔を見合わせてから、隊士の隙間を縫うように現れた一人の男に目を向けた。

「左利き…と、いうことは斎藤一だな？」

短髪の浪士が、刀を右の腰に差していることからみて推測したのか、静かにそう尋ねる。

隊士がざわめいた。

「何故、俺の名を知っている？」

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