２話 ページ3
─
そう誓ってから、何年が経ったのか。
俺はモブで村人のまま、この汚い世界を生き続けている。
そう、普通の世界。
なんの災難にも巻き込まれず、嫌なことは避けて。
これが、普通、だと思っている。
そしていつも通り、高校の授業を受けている。
勉強は、多分出来るほうだから、そこそこ成績もいい。赤点とかない。居残りとか無理。
別に、特別馬鹿、特別できる、とかならなければ先生に呼ばれることもないし、楽なものだ。
俺が選んだ高校は、そこそこ普通の高校。
そう、『そこそこ』普通。
「なぁ、今日もやったってよ」
「は？何を」
隣の席の男子が話し出す。
聞きたくないけど、聞こえてしまう。
これは、盗み聞きに入るのか...？
入りませんように。
「お前も知ってるだろ、ほら。あの六つ子」
『六つ子』。
「あの喧嘩ばっかしてる？」
『喧嘩』。
これが、普通ではない理由。
『そこそこ』の意味。
「今度は先輩だってよ」
「まじか、やべぇな」
俺の通っている高校には、不良がいる。
...普通に生きれば、いいのに。
─
続く (更新停止中)
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作者名：氏病 | 作成日時：2015年12月13日 20時
