死神の赤子

視点別、険悪。 ページ7

「さて、取り敢えず…小路Aさん以外の方は揃ったのだね？」

「はい！今現在も彼女の行方は追っていますが、もしかすると…既に外へ出ている可能性が…」


ある一室に集められた男女3人と、警察に所属する刑事等が数名。
いつになれば始まるのか、わからないこの状況に早くも苛立つ人物が現れた


「なァ刑事サン、いつになれば帰してくれんの？早く帰りてーんだけど、」

「すいませんが、そういう訳にもいかなくてね。小路さんを見つけ次第、進展となりますかね…」

「そう言って何分経ってんだよ、あぁ！？」


苛立った様に顔を顰め声を荒げる男、無動寺祐介。彼はこの水族館の正社員である
しかしこの通り、短気な面もあり周りの証言では社長である仙道優一とはよく口喧嘩をしていたそうだ

アリバイもない事から、容疑者の一人として集められた。


「仕方ないでしょう、彼女も何か…後ろめたい事があるから逃げてる。そうなんじゃないですか？」

「そうかもしれませんが…」

「何？まさか、私達に教えた監視カメラに応接室から出て去っていく彼女の姿が映っていた、というのは嘘で？」

「で、ですからぁ…」


むす、とした不機嫌そうな顔を浮かべたまま淡々と口にする女、水口里穂。彼女は仙道優一の秘書である
彼女は勝気な面もあり、この会社内では嫌われ者の一人ではあるが仕事の面では人一倍努力しており、彼女こそ仕事人と呼んでいいだろうとも噂されている

そんな彼女も、アリバイが無い為に容疑者の一人として集められたのだが。


「……五月蝿い」

「何？私はただ普通に、話してるだけよ
誰かに迷惑かけてる訳じゃない、至って普通に話してるわ」

「…そういう問題じゃないだろ」

「何よ、偉そうに口聞いて…」

「あああ！だから！落ち着いて下さい！
我々警察も、全力で小路さんの捜索に出てますので！！」


水口里穂を睨む様に目を細めて顔をそらす男、竜崎翔。彼はこの水族館にアルバイトとして雇われた
口数も少なく、人の話を聞こうとしないので度々社長自身から注意も受けてたが彼もアルバイトの身として働いていた様子は見受けられていた模様

そして彼も、アリバイが無い為容疑者の一人として集められた。


「さっきからそう言ってんじゃねぇか！
なんなんだよ、なんで俺が…」

「……」

「ああもう、…」


段々、この場に重たい空気が流れてくのを感じる。

予感は当てやすい→←事件捜索開始！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す